ネガティブ・ギアリングめぐる攻防戦

民間筋は政府案より労働党案を支持

 中立系シンク・タンクのグラタン・インスティチュートが発表した調査報告によれば、ネガティブ・ギアリングの優遇税制を抑えることで連邦財政が年間50億ドル節減される。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 同インスティチュートの「Hot Property」報告書は、新規住宅投資からの損失を、現行のような賃金収入から控除するのではなく、他の投資物件からの控除だけにすることや、キャピタル・ゲイン税割引を現行の50%から25%に引き下げることを提案している。インスティチュートのジョン・デイリーCEOは、「現行ネガティブ・ギアリング制度では投資決定をゆがめ、住宅価格を押し上げることになっている。また、国家財政にとってもかなりの損失になっている。4種の小さな変更だけで連邦歳入は年50億ドルの増収になる。また、その変更による住宅価格の低下は2%程度だ。また、賃貸物件や新規住宅開発に与える影響も小さい。また、ネガティブ・ギアリングを利用していない90%の納税者にとってもいいことだ」と述べている。

 ビル・ショーテン労働党党首は、「労働党が政権を取れば、2017年7月以降、ネガティブ・ギアリングにも、キャピタル・ゲイン税にも変更を加える」と発表しており、議会予算局が推算したところでは、労働党の政策で、10年間に321億ドルの財政節約になる。しかし、グラタン・インスティチュートは労働党案に対しても、「まだ、十分ではない」としており、特に、現在の投資物件には手を付けないとする祖父条項を批判、「祖父条項は祖父には具合がいいが、孫には不公平だ。単に高齢側の投資家を優遇し、若年投資家を冷遇するものにしかならない」と語っている。

 マルコム・タンブル首相も、スコット・モリソン財相も、「平均的所得者もネガティブ・ギアリングに頼っている。労働党案はパパママ投資家を冷え込ませるものだ」としているが、同インスティチュートは、「ネガティブ・ギアリングの利益を受けているのはごく少数の富裕投資家であり、平均的所得者の利益はごくわずかだ」と、意見が真っ向から対立している。
■ソース
Negative gearing: Tax deduction’s removal ‘would boost Commonwealth revenue by $5b annually’

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