「国民は国連からのお説教にうんざり」

アボット首相が国連の「難民」報告に

 かつてジョン・ハワード元保守連合連邦首相が、「オーストラリアは国連にとやかく言われる筋合いはない」と発言したが、そのハワード氏の政治的愛弟子、トニー・アボット首相が国連の報告に対して、「オーストラリア国民は国連のお説教にうんざりしている」と発言した。国連の報告書は、難民認定希望者に対するオーストラリア連邦の処遇が「拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取り扱い又は刑罰に関する条約」に違反していると判断している。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 国連のファン・メンデス拷問問題特別報告者は、児童の拘置、領外難民処理センターでのエスカレートする暴力事件、スリランカ、タミル系難民認定希望者2グループの拘置と送還提案などが、オーストラリアの国際的責務に違反するものだと判断している。

 この報告書は3月9日にジュネーブの国際連合人権委員会に提出されたが、それを前にしてオーストラリア連邦政府は報告書を全面的に拒否した。同日午後、アボット首相が国連を批判し、「オーストラリア政府が難民船の渡来を停止したことについてオーストラリア政府を評価していたなら、報告書も少しは信頼性があったたというものだ。オーストラリア国民は国連にお説教されることにうんざりしているはずだ。特にオーストラリア政府が難民船渡来の停止に成功したということは海で死ぬ者がいなくなったということだ。もっとも人道的、もっともまっとう、もっとも同情的な行為は、難民船渡来を止めることだ。前労働党政権時代には人間密輸業者がはびこり、1200人ほどの人が海で命を落とした」と語っている。

 2月にはアボット保守連合政権が豪人権擁護委員会のジリアン・トリッグズ委員を「見え透いた政治的でっち上げ」と非難し、国際的にも業績の高いトリッグズ教授は、「40年間、法律に携わってきたが、自分のした仕事をそのように言われたのは初めてだ」と発言しており、ジョージ・ブランディス法務長官が事務次官を通じて、暗にトリッグズ委員に辞職を促し、代わりの公職をほのめかしたことを暴露している。連邦議会下院では労働党議員がジュリー・ビショップ外相にこの問題で繰り返し質問し、数回にわたってビショップ外相が、「そのような話しはなかった」と否定していたが、遂に前言を撤回し、辞職を促したことと代わりの公職をほのめかした事実を認めてしまった事件がある。(Ratei)
■ソース
Tony Abbott: Australians ‘sick of being lectured to’ by United Nations, after report finds anti-torture breach

http://www.smh.com.au/federal-politics/political-news/tony-abbott-australians-sick-of-being-lectured-to-by-united-nations-after-report-finds-antitorture-breach-20150309-13z3j0.html

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