オーストラリア中央部のヤシの謎解明か

先住民族の伝説、3万年さかのぼる

 北部準州(NT)南部の大陸中央部、パーム・バレーとその周辺にしか生えていない「キャベッジ・パーム(学名:Livistona mariae)」というヤシの木がある。なぜ、そこにだけ孤立してこのヤシが生えているのか謎とされてきた。しかし、先住民族アボリジニの伝説がDNAテストで裏付けられそうだという。

 4月3日付でABC放送(電子版)が伝えた。

 数年前、TAS大学の生態学者デビッド・ボウマン教授が、NT奥地とダーウィン近辺のヤシの種子のDNAを調べ始めた。その結果、キャベッジ・パームの種子は、3万年ほど前に人間が中央砂漠地帯に持ち込んだものと結論された。

 ボウマン教授は、人類学者で伝道師でもあったドイツ人のカルル・ストレロウが1894年に記録したアボリジニの伝説を読んだ。この伝説はごく最近になって英語に翻訳されたもので、その中に、「北の地から種をパーム・バレーに運んできた神々」のことが書かれていた。

 ヤシの木は約5,000万年前のごく短い温暖期に北極圏で繁茂したことがあり、最近の気候変動についてわれわれの理解にギャップがあることを示している。ボウマン教授は、「この口承伝説は7,000年以上おそらく3万年ほどの間、世代を受け継がれてきた。私たちが独自に科学調査して種子が遠くから運ばれてきたと結論したことが、そのままアボリジニの伝説の中に伝えられていたというのはすごいことだ。伝統的な生態系への知識が科学的研究に情報を与え、補強することができる好例といえる」と語っている。

 さらに、「アボリジニの口承伝説は3万年ほども途絶えずに受け継がれてきたと考えられる。また、アボリジニの神話に出てくる巨大な獣も絶滅した巨型動物類に関する正真の記録なのかも知れない」と語っている。この研究報告は、Nature誌に掲載されている。(Ratei)
■ソース
Research findings back up Aboriginal legend on origins of Central Australian palm trees

http://www.abc.net.au/news/2015-04-03/aboriginal-legend-palm-tree-origin-central-australia-research/6369832

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