2016メルボルン・カップ観戦&必勝ガイド

※本記事の情報は9月19日時点のもの
※本記事の情報は9月19日時点のもの

156回目を迎えるメルボルン・カップは11月1日にメルボルンのフレミントン競馬場で開催される。世界で唯一、競馬が祝日となるメルボルン・カップは、国家を止める競馬「ストップ・ザ・ネーション」の愛称を持つ。毎年11月第1火曜日に10万人以上の観客を集め、賞金総額640万豪ドル、フルゲート24頭、芝3,200メートルと世界でも最も高い水準の3歳以上馬のハンディキャップ・レースである。

昨年は女性騎手が初優勝

昨年は「女性騎手が史上初めてメルボルン・カップを制す」という大事件が起こり、世界中にそのニュースが駆け巡った。単勝オッズ101倍というメルボルン・カップ史上最も高いオッズ馬が女性騎手により歴史的勝利を果たしたことも大きな話題となった。夢のようなシンデレラ誕生に競馬界のみならず豪州全体、そして世界も沸き返った。

10万人の観衆が待ち受けるホーム・ストレッチ直前の最終コーナーでは24頭の馬群が混戦の状態であったが、本レース紅一点の騎手ミシェル・ペイン(VIC州バララット出身、30歳)が騎乗するプリンス・オブ・ペンザンス(Pペンザンス)の目前の空間が一瞬の間、開いた。ミッシェルはその隙を逃さずに中団の馬群から抜け出して、外側を走り先行する馬群を激しく追った。残り150メートルの地点でミシェルは愛馬に鞭を入れて、先行馬群を差し切って先頭に立った。イタリア人騎手フランキー・デットーリが騎乗するフランス馬マックス・ダイナマイトが、猛烈な勢いでPペンザンスに迫ってきて、手に汗を握る接戦となったが、1/2馬身差でミシェルが逃げ切った。

デットーリ騎手は、2015年の世界ベスト・ジョッキー受賞者である。NZマオリ族出身のマイケル・ウォーカーが騎乗するクライテリオンが1馬身1/4差の3着となるなど、メルボルン・カップならではの国際色豊かなレースであった。

単勝オッズ(掛け率)101倍は、1ドル馬券の配当が101ドルとなる日本で言うと“万馬券の大穴”である。豪州のみならず世界中から一流の馬が集まるメルボルン・カップで大穴が出ることは滅多になく万馬券は史上初めてのことも話題をさらった。つまり世間からはミッシェルが騎乗するPペンザンスが勝つ可能性は24頭の中で最も低く、限りなくゼロと予想されていたのである。

日本馬に世界も注目

昨年はフェイムゲーム(宗像義忠調教師)が本命1番人気で出走したが13着に終わり、ホッコーブレーヴ(松永康利調教師)も17着と惨敗した。メルボルン・カップやスプリング・レーシング・カーニバルでは、日本馬が毎年活躍しており、豪州のファンも注目している。

今年は春の天皇賞2着のカレンミロティックが(8歳、平田修厩舎)が出走予定だ。宝塚記念で手綱を執った豪州出身のトミー・ベリー騎手が騎乗の予定である。ベリー騎手は昨年トリップ・トウ・パリで4位に入賞しているので馬券を買ってみるのも面白い。

日本馬と言えば、14年に本命馬であったアドマイヤ・ラクティがレース直後に心臓麻痺で急死するという衝撃的な事件があった。数多くの競走馬がレース後に死亡していることもあり、昨年のメルボルン・カップの前に動物愛護団体から抗議活動があった。

これを受けて豪州競馬協会は鞭の使用などに関するルールを昨年末から変更している。

春は人気レースが目白押し

当日は大勢の人が会場のフレミントン競馬場に詰め掛ける
当日は大勢の人が会場のフレミントン競馬場に詰め掛ける

10月から11月初旬にかけて競馬最高レベルG1レースが集中的に行われる。コーフィールド・カップ(10月15日)、ジーロン・カップ(10月19日)、コックス・プレート(10月22日)、ビクトリア・ダービー(10月29日)、メルボルン・カップ、VRCオークス(11月3日)、VRCステークス(11月5日)の7戦を主なレースとしてスプリング・レーシング・カーニバルと言う。ビクトリア・ダービーからVRCステークスまでを「メルボルン・カップ・ウィーク」と言い、G1の4レースが集中して街中がお祭りムードに包まれる。

メルボルン・カップの参考となる重要なレースは、コーフィールド・カップとコックス・プレートである。コーフィールド・カップとメルボルン・カップの両レースで優勝するとカップス・ダブルと呼ばれ名誉なこととされるが、優勝馬はハンディ重量が付加されるので注意が必要。軽量ハンディの馬が活躍するケースが多く、最重量トップ・ハンディを課されて優勝した馬は数少ない。

9月19日時点ではまだ最終出走馬や枠順が決まってないので、どの馬を選ぶかの参考にしてもらいたい。

馬券購入ガイドのコツ

■その1:昨年の有力馬に注目
 初回登録で出走が予想される有力馬を見てみる。()は昨年の順位。

Pペンザンス、ビッグオレンジ(5位)、アワーアイバンホー(10位)、フーショットシバーマン(11位)、ザユナイテッドステーツ(14位)、ハートネル(15位)、ボンダイビーチ(16位)、アルムーンキシュ(18位)、プリファーメント(20位)

昨年参加した馬と調教師、騎手を合わせて馬券を買うのが正攻法だ。

■その2:有力調教師に注目
 調教師は豪州政財界に広くネットワークを持ち、カジノなどギャンブル界やフットボール、ラグビーなどのプロ・スポーツ界などから広く資金を集める一種の広告塔の役目を担っている。巨大な資金と組織、ネットワークを持った一流調教師は、多くの厩舎と提携して数多くの有力な若い馬を育てている。つまり有力な調教師が輩出する馬は勝つ可能性が高いということである。

ガイ・ウォーターハウス:最有力調教師。シドニー出身で、13年のフィオレンテでメルボルン・カップに優勝した初めてのオージー女性調教師である。

リー・フリードマン:メルボルン・カップ優勝5回。昨年はアワーアイバンホーで10位入賞を果たし、今年も同馬で再挑戦する。2005年まで3連覇達成馬マカイビーディーヴァを調教した。

デビッド・ヘイズ:メルボルン・カップ1回、ジャパン・カップ1回を含みG1レース85回の優勝を誇り、既に豪州競馬殿堂入りの名トレーナーである。昨年はクライテリオン、アルムーンキシュで出走した。

ロバート・ヒックモット:2012年優勝馬グリーンムーンを調教。メルボルン・カップ4回優勝の有名馬主ロイド・ウィリアムズに見出された。昨年はザ・ユナイテッド・ステーツで14着。

エド(エドワード)・ダンロップ:欧米や香港で活躍するイギリス人。昨年はアイルランド馬トリップトウパリで4着入賞を果たしたが、英国馬レッドカデューは未完走に終った。

■その3:有力ジョッキーに注目
 フランキー・デットーリ:イタリア人。昨年の世界ナンバー1ジョッキー。昨年のマックス・ダイナマイトでは圧巻の追い込みを見せた。

ライアン・ムーア:イギリス人。14年優勝馬プロテクショニストに騎乗。欧米のG1レース、ジャパンカップなどを制し日本でもファンが多い。

ダミアン・オリバー:13年のフィオレンテなどメルボルン・カップ優勝3回を誇る。06年メルボルン・カップでは日本馬ポップロックに騎乗し2着に入り、優勝した日本馬デルタブルースと共に記憶に新しい。昨年は、ガイ・ウォーターハウス調教のジ・オファーに騎乗し、8着に入賞している。

クレイグ・ウィリアムズ:欧州、豪州、アジア、日本でG1レース39勝を誇る辣腕騎手であるが、メルボルン・カップだけは未勝利であり、今年は執念で勝ち取るかが見どころ。昨年は日本馬ホッコーブレーヴに騎乗。

ブレット・プレブル:メルボルン出身で12年の優勝馬グリーンムーンに騎乗し一躍名を挙げた。昨年はアイルランド馬ボンダイビーチで16位。06年安田記念で優勝している。現在は主に香港で活躍中。

ジェラルド・モッセ:フランス人で主に香港で活躍。10年アメリカ馬アメリケーンでメルボルン・カップ優勝、昨年はメルボルン・カップで3回も2着になり悲願の優勝を目指したレッドカデューに騎乗したが、レース中にけがで完走できない悲劇となった。

昨年、メルボルン・カップを制したミシェル・ペイン(Photo: AFP)
昨年、メルボルン・カップを制したミシェル・ペイン(Photo: AFP)

なお、昨年プリンス・オブ・ペンザンスを優勝に導いた女性騎手ミシェル・ペインは、今年5月の競馬で落馬した後遺症もあり、今年のメルボルン・カップの出場は難しいと伝えられている。

■ファッション

女性たちの華やかなファッションにも注目が集まる
女性たちの華やかなファッションにも注目が集まる

 メルボルン・カップ観客の半分は女性と言われ、メルボルンの街中は華やかなファッションで埋め尽くされる。メルボルン・カップ期間中に販売される女性用の帽子は7万個を超えるとされている。メルボルンの老舗デパート・マイヤーが開催するファッション・コンテスト、ファッション・オン・ザ・フィールドは、豪州ファッション界の最高峰の1つでもある。一般部門は10月26日まで応募ができる。
 メルボルン・カップの一般入場者にドレス・コードはないが、男性はネクタイ・ジャケット着用など正装に準じるドレス・アップが求められている。着物や浴衣姿の日本人も最近は増えている。

■レース
 メルボルン・カップ・デーには全10レースが行われる。第1レースは午前10時40分出走。メルボルン・カップは第7レースで午後3時出走。
 一般観客席には、臨時馬券売り場が設けてある。複勝(Place)と単勝+複勝(Each Way)は当たる確率が高いのでこれを数レース試してみるのがお勧め。The Age紙、Herald Sun紙には特集ページが組んであるので最新情報を入手できる。

■会場への行き方
 フリンダース駅から多数の特別列車が出る。トラムは、フリンダース駅エリザベス通りで57番トラム。

■競馬場
 一般入場券($74)は、当日、競馬場では発売していないので、ネットやフェデレーション・スクエアの特設売り場、フリンダース駅、サザン・クロス駅などで購入しておくこと。10月14日までは70ドルで購入できる。会場へはアルコール飲料は持ち込めない。
 開場は午前8時半。会場に着いたら、まずレース・コースのすぐ前に陣取ることがコツ。レースがスタートすると全員が立ち上がるので、芝生席だと最前列付近以外ではレースがまったく見えない。家族連れのエリアもあり、子どもたちが楽しめる施設もある。身体障害者も入場可能。アルコール禁止区域なので安心して楽しめる。
 スマートフォンでフレミントン競馬場ガイドのアプリをインストールしよう。

馬券購入ガイド

競馬場、フェデレーション・スクエア特設馬券売り場、クラウン・カジノ、ネットなどさまざまな方法で馬券は買える。

●Win(ウィン:単勝)選ぶ馬は1頭。1着の馬を当てる。
●Place(プレイス:複勝)選ぶ馬は1頭。3着までに入る馬を当てる。
●Each Way(イーチ・ウェイ:単勝と複勝の組み合わせ)選ぶ馬は1頭。1着に入ればWinの配当、3着までに入ればPlaceの配当というお得な馬券。
●Quinellas(キネラ:連勝複式)選ぶ馬は2頭。1着、2着を当てる。1着、2着が逆でもOK。
●Exacta(エグザクタ:連勝単式)選ぶ馬は2頭。1着、2着を正しく当てる。
●Trifectas(トライフェクタ:3連単)選ぶ馬は3頭を着順通りに当てる。
●First Four(4連単)選ぶ馬は4頭を着順通りに当てる。

これ以外にも複数のレースに渡って賭ける馬券もある。

■Melbourne Cup 2016
会場:Flemington Racecourse(400 Epsom Rd., Flemington)
日程:11月1日(火)3PM出走
Web: www.melbournecup.comwww.racingvictoria.net.au

文・写真=イタさん(板屋雅博)
日豪プレスのジャーナリスト、フォトグラファー、駐日代表。
東京の神田神保町で叶屋不動産(http://kano-ya.biz/)を経営

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