34年間で1,000万人拡大
オーストラリアの2024年6月末時点の人口は推計で2,720万4,809人となり、前年比で55万2,000人(2.1%)増えた。伸び率は鈍化傾向にあるものの、コロナ禍前の水準を依然として大きく上回っている。オーストラリア統計局(ABS)がこのほど発表した四半期の人口統計で明らかにした。
ABSによると、人口増加率は2010年代を通して1%台で推移していたが、20年のコロナ感染拡大によるロックダウン(都市封鎖)で、外国人留学生など多くの長期滞在者が母国に帰国し、移住者の受け入れを停止したことから急低下。21年3月末時点で0.1%と大きく落ち込んだ。
その後、経済再開に伴って移住者が急増したため23年9月末時点で2.54%まで上昇した。しかし、移住者の急増でインフレや住宅不足が深刻化。連邦政府は23年末以降、学生ビザの審査を厳格化するなど、移住者の受け入れ縮小に舵を切ったことから、伸び率はスピードダウンしている。
6月末までの1年間で増えた人口のうち、純増数(出生者数と死亡者数の差)は10万6,400人と3.4%増加した。一方、移住者の純増数(入国した移住者と出国した移住者の差)は44万5,600人と16.8%減少した。
ABSの統計をさかのぼると、オーストラリアの人口が1,700万人を超えたのは1990年3月。それから34年間で1,000万人増えた。2004年12月に2,000万人を突破し、18年9月に2,500万人を超えてから約6年で200万人拡大した。おおむね3年間で100万人のペースで増加を続けている。
もっとも、オーストラリアの人口は世界54位(米中央情報局=CIAワールドファクトブック調べ)と台湾やシリアを少し上回る程度。一定の国土を持つ先進国の中では、まだ小規模な水準にとどまっていると言える。
■ソース
Australia’s population grows by 2.1 per cent, Media Release(ABS)