なんでこんな時にサイクロン接近? 西豪州でLNGと鉄鉱石の主要輸出港が閉鎖

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日本のエネルギー供給にダブルパンチも

サイクロン「ナレル」の針路予想図(Bureau of Meteorology)

 オーストラリアの公共放送ABCによると、サイクロン(日本の台風に相当する熱帯低気圧)の接近に伴い、26日現在、西オーストラリア(WA)州北西部では主な港湾施設が閉鎖され、液化天然ガス(LNG)や鉄鉱石の積み出しが止まっている。

 オーストラリア気象局(BOM)によると、サイクロン「ナレル」は26日午前11時の時点で、WA州北西部カラーサの沖、北北西210キロのインド洋上にあり、時速17キロで西南西に進んでいる。

 中心付近の気圧は967ヘクトパスカル。最大風速は時速230キロ(秒速約64メートル)。構造物を破壊するほどの猛烈な突風が吹いている。BOMは同日、ナレルの勢力を「カテゴリー4」(5段階のうち上から4番目)に格上げした。

 ナレルは今後、強い勢力を維持したまま27日にWA州北西端に最も接近する見通し。その後、針路を南に変え、週末にかけて勢力を落としながら州南西部の都市パース付近に到達すると見られている。

日本のLNG輸入量、4割がオーストラリア産

 WA州北西部は人口が非常に希薄であるため、現時点ではサイクロンによる目立った被害は出ていないもようだ。しかし、資源・エネルギーの輸出には影響が出ている。ABCによると、WA州北西部ピルバラ地域のアシュバートン、ケープ・プレストン・ウェスト、ダンピア、バナラス島の各港湾施設が現在、閉鎖されている。リオ・ティント、シェブロン、サントスなどの資源・エネルギー大手が、これらの港から液化天然ガス(LNG)や鉄鉱石を輸出している。

 オーストラリアは世界2位のLNG輸出国。中でもWA州北西部から北部準州にかけてのエリアは、海底ガス田が集中しており、LNGの輸出拠点となっている。

 日本のLNG輸入量に占めるオーストラリア産の割合は39.7%(2025年=JETRO)と最も多い。天然ガスは火力発電や都市ガスに利用され、燃焼時の温室効果ガス排出量が石油や石炭と比べて少ないというメリットがある。ただ、気体では体積が大きすぎるため、輸送・貯蔵時に極低温で液化する必要がある。石油と違って備蓄できず、継続的な入荷が前提となる。

 折からのホルムズ海峡封鎖で、3位の輸出国カタールなど中東産LNGの輸出が止まっている。その上、サイクロンでWA州の港湾施設に被害が出たり、輸出停止が長引いたりした場合、日本の電力やガス供給に与える影響が心配される。

◼️ソース

Cyclone Narelle closes vital LNG and iron ore ports in WA(ABC News)

Severe Tropical Cyclone Narelle 34U(Bureau of Meteorology)

日本のLNG輸入量のホルムズ海峡依存度は6.3%、LNG生産停止中のカタールのシェアは5.3%(JETRO 日本貿易振興機構)

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