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オーストラリアの住宅価格に底入れ感 本格的な反騰につながるかは不透明

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2月住宅価格指数は22年5月以来最小の下げ幅に

オーストラリアの住宅価格指数は利上げ開始以降で最小の下落率となったが…(Photo: R ARCHITECTURE on Unsplash)

 オーストラリアの不動産情報会社「コアロジック」が集計している全国の住宅価格指数は2月28日時点で前月比0.14%下落した。下げ幅は1月末の前月比1.0%の低下に続いて縮小し、中央銀行の豪準備銀(RBA)が政策金利の引き上げを始めた2022年5月以降で最小となった。利上げに伴って急落してきた住宅価格が、底入れするのかどうかが注目される。

 都市別では、最大都市の東部シドニーが前月比0.3%の上昇(1月末は1.2%下落)に転じ、住宅価格の中央値は100万6,923豪ドル(約9,200万円)と節目の100万豪ドルを回復した。直近の最高値だった22年1月からの下落率は13.5%となった。

 第2の都市、南部メルボルンは0.4%の下落と1月末(1.1%の下落)から下げ幅を縮小した。ピークの22年2月からの下落率は9.6%だった。第3の都市北東部ブリスベンも0.4%の下落となり、1月末(1.4%の下落)から低下のペースが鈍化した。ピークの22年6月からの下落率は11.0%となった。

 住宅価格の下落ペースが鈍化したのは、住宅市況の冷え込みを背景に市場に供給される物件が減少したため、需給が引き締まったことが最大の要因と見られる。

 コアロジックのティム・ローレス調査部長は「過去4週間の州都における新規売出し物件は1年前と比べて17.0%減少した。過去5年間の平均値と比較しても11.9%低い水準にある」と述べ、供給の縮小が価格下落の鈍化傾向に拍車をかけたとの見方を示した。

 ただ、住宅価格が底打ちするかどうかは予断を許さないという。

「RBAが2月の理事会でよりタカ派的(金融引き締めに積極的)な姿勢を見せたことや、景気減速の見通し、労働需給の軟化などを考慮すれば、住宅市況下落の一時的な猶予が長く続かない可能性が高い。『固定型住宅ローン金利の壁』(固定型金利の利率引き上げ)も迫っており、急激な利上げによる影響はこれから本格化するのではないか」(ローレス調査部長)

■ソース
Hedonic Home Value Index, 1 March 2023(CoreLogic)

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