モリソン連邦首相、「状況は変化しているが対処できる」

2021年10月末までに希望者全員に少なくとも1回

 オーストラリア国内のコロナウイルス・ワクチン供給は、ヨーロッパから3種のワクチンを輸入しつつ、メルボルンのCSL社のアストラゼネカ・ワクチン量産が軌道に乗るのを待つという計画だったが、世界的にワクチンが不足しており、輸入量が見こみをはるかに下回っている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 4月7日、スコット・モリソン連邦首相は、10月までにすべての成人国民に1回目の接種を済ませる計画を必ず達成すると発言したが、同時に、「状況は変化しており、接種作業が円滑に進む保証はない」とも語っている。

 モリソン首相は、複数のEUリーダーに宛てて、「昨年9月に供給契約を結んでいたのに輸出禁止措置でオーストラリアに入ってこなくなった310万用量のワクチンの輸出認可を急ぐよう」求める書簡を送っている。

 しかし、ウルズラ・ゲルトルート・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長がこの要請を拒否すると予想されており、そうなると、オーストラリアはCSL社のアストラゼネカ・ワクチン依存一辺倒を避けようにも、他の地域からの輸入も限られている。

 モリソン連邦首相は、「ワクチンが確実に入ってくるという保証があるような期待が見られるが、そのような確証があると期待するのは賢明ではない。そんな保証は全くない」と語っている。

 4月7日、連邦政府のグレッグ・ハント保健相は、「CSL社は、3月末日までにアストラゼネカ・ワクチン200万用量を政府に納入し、その後は1週間に100万用量を納入するという目標を達成しておらず、これまでの納入量は130万用量にしかならない。また、今週中に47万用量、来週前半には48万用量、来週後半には67万用量の納入を予定している」と発表した。そのペースでいくと200万用量を納入できるのは4月中旬以降ということになる。

 これに対してCSL社は、「当社のスケジュールに遅れはない。連邦政府との最初の契約では2021年第2四半期から納入開始になっていたが、QLD州のワクチン開発が失敗したため、当社のワクチン納入が前倒しになった。現在はほぼ目標通りの生産量を達成している。近い将来に週100万用量生産を達成し、さらにそれを上回る能力になる」と語っている。

 連邦政府は、「EUからアストラゼネカ・ワクチンを380万用量購入する契約を済ませていたが、現実にはこれまでに70万用量しか入ってきていない。残りはEUで輸出禁止されている」と発表しているが、EU広報担当官は、「これまでにオーストラリアへの輸出が禁止されたのは25万用量に過ぎず、それ以外にオーストラリアに輸出が予定されているアストラゼネカ・ワクチンはない」と断言している。
■ソース
‘Circumstances change’: Global vaccine shortage stymies rollout plan

    日豪プレス キレイになろう特集 テイクアウェイ特集2020

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