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「宗教的動機に基づくテロ」と断定 シドニー西郊のキリスト教会で2人刺傷 10代少年逮捕

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司教と神父ら負傷、命に別状なし 現場前で数十人が暴徒化、警官を襲撃

事件現場のキリスト・ザ・グッド・シェファード教会(グーグルマップのストリートビューより)

 オーストラリア東部シドニー郊外のキリスト教会で15日夜、10代の少年が刃物で司教、神父らを刺し、負傷させる事件があった。ニューサウスウェールズ州警察によると、2人は病院に緊急搬送されたが命に別状はないという。現場前では暴徒化した群衆が駆けつけた警官と衝突した。現地メディアによると、約30人が救急医療士の手当てを受けたとされる。

 州警察のカレン・ウェブ警視総監は16日午前、「宗教的動機に基づく過激主義」によるものとの見解を示し、連邦・州政府はテロと断定した。ただ、容疑者の宗教や思想の背景、単独犯だったのか、背後に組織がいるのかなど、詳しいことは分かっていない。オーストラリア政府のテロ脅威レベルは、5段階中下から4番目の「可能性あり」(Possible)から変化はない。

 事件が起きたのは、シドニー市内中心部から直線距離で28キロ西方のウェイカリーにある「キリスト・ザ・グッド・シェファード教会」。キリスト教を信仰する中東の少数民族「アッシリア人」系の宗派で、イラクやシリア出身の難民の信徒が多いとされる。

 州警察によると、15日午後7時10分ごろ、人が刺されたとの通報を受けて、警官が急行したところ、教会内で刺された53歳と39歳の男性を発見した。救急隊が2人をリバプール病院に搬送した。警察は民間人が取り押さえていた16歳の少年を逮捕した。

 少年は襲撃時に負傷したと見られ、病院で手当てを受けている。少年には、昨年11月に列車内で刃物を所有するなど、複数の犯罪歴があったと報じられている。

 現地メディアによると、刺されたのは同教会のマー・マリ・エマニュエル司教とアイザック・ロイエル神父。エマニュエル司教は、コロナワクチン接種やロックダウン(都市封鎖)、性的少数者(LGBT)の権利拡大に強く反対するなど、物議を醸す言動で知られているという。ユーチューブやティックトックなどの動画投稿サイトで多数のフォロワーを持ち、ネットで有名な人物とされる。

 当時、教会では礼拝が行われ、エマニュエル司教の説教がライブ配信されていた。事件発生後、教会前には群衆が集まり、駆けつけた警官に物を投げ、パトカーを破壊したり、警官の所有物を奪ったりした。現地メディアによると、現場前に50〜100人が集まったという。暴徒化した群衆が警官を襲撃した動機や、容疑者の少年との関係などは明らかになっていない。

 シドニーでは3日前の13日にも、東郊ボンダイ・ジャンクションのショッピングセンターで男が6人を刺殺、少なくとも12人を負傷させる事件が起きたばかり。現場で警官に射殺されたこの事件の容疑者は、精神疾患の罹患歴があり、過激主義やテロとは無関係と見られている。

■ソース

Teenager arrested following stabbing – Wakeley(NSW Police Force)

Sydney church stabbing updates: Police investigating last night’s attack as a ‘terrorist act’(ABC News)

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