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中国とソロモン諸島、安全保障協定に調印

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ANZUSグループ、中国海軍艦船常駐を懸念

 4月19日付ABC放送(電子版)は、ソロモン諸島政府が中国と安全保障協定に署名したと伝えている。

 この安全保障協定は、両国の安全保障協力に関する枠組み協定とされるもので、太平洋地域における中国の影響力に対する懸念も上がっているが、中国政府は、「特定の第三国を狙いとするものではない」と反論している。

 しかし、ANZUS3国のオーストラリア、ニュージーランド、アメリカは南太平洋地域における中国海軍常駐基地化への道を開くものとして警戒している。

 この協定に基づき、中国はソロモン諸島に対して社会秩序維持、国民の安全防衛、援助、自然災害援助、国家安全保障などの面で支援することができるようになる。

 ソロモン諸島政府のジェレミア・マネレ外相がABC放送にテキスト・メッセージで中国とソロモン諸島の協定調印を伝えてきたもので、数日中にソロモン諸島のマナセ・ソガバレ首相が公式発表する予定と伝えている。

 先日、オーストラリア連邦政府のゼド・セゼルジア太平洋担当大臣が、連邦選挙戦中のことであり、野党労働党の支持を得てホニアラに飛び、ソガバレ・ソロモン諸島首相と会談、中国との安全保障協定調印を思いとどまるよう説得に努めたばかり。

 また、ジョー・バイデン大統領も、オーストラリアと協力してソロモン諸島政府に中国との協定締結を考え直すよう説得するため、ホワイトハウスからカート・キャンベル氏を派遣する予定にしていた矢先の協定署名だった。

 そのため、オーストラリアの外交筋がABC放送に、「この協定署名発表は、キャンベル氏のソロモン諸島訪問に先んじるために中国、ソロモン諸島両国が急いで決めたものではないか」と語っている。

 連邦野党労働党のペニー・ウォン影の外相が自身のツイートで、「スコット・モリソン連邦首相は強気発言が多いが、そのモリソン政権の目の前でオーストラリアを取り巻く地域の不安定化が起きているではないか。2021年8月にこの中国とソロモン諸島の安全保障協定が警告されていたにもかかわらず、モリソン政府は外相をホニアラに派遣することすらしなかった」と批判している。
■ソース
China and Solomon Islands sign security pact, Beijing says it is ‘not directed at any third party’ amid Pacific influence fears

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