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オーストラリア中銀、明日9会合連続で利上げか 政策金利0.25ポイント引き上げの確率75%

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豪証券取引所の金利先物指標

 オーストラリアの中央銀行、豪準備銀(RBA)は7日に開く2023年最初の理事会で、政策金利を0.25ポイント引き上げ、3.35%とする見通しだ。予測通りに実施した場合、利上げは9会合連続となる。

 市場参加者の大半は、0.25ポイントの利上げを織り込んでいる。オーストラリア証券取引所(ASX)が金利先物価格を下に公表している「RBA金利指標」(2月3日時点)によると、「3.35%への利上げ」の確率は75%、「据え置き」は25%だ。

前例のないペースで金融引き締め

 RBAは金融引き締めを継続する公算が高いと見られているのは、激しいインフレがなかなか鈍化しないからだ。直近12月期(2022年10月〜12月)の消費者物価指数(CPI)の上昇率は7.8%(前期比0.5ポイント上昇)と過去33年間で最高の水準となった。

 RBAは22年に入り、コロナ経済対策で実施していた実質ゼロ金利(0.10%)や量的緩和などの大規模な金融緩和政策を解除。一転して金融引き締めに傾斜し、インフレを抑え込むため同年5月に政策金利を0.25ポイント引き上げた。

 これを皮切りに、6月から9月まで4会合連続で通常の「2倍速」となる0.5ポイントの利上げを断行。10月以降は引き上げ幅を0.25ポイントに戻し、12月には政策金利を3.10%と過去10年間で最も高い水準まで引き上げていた。8月間で3.0ポイントの利上げは、現行制度下で過去に例のないハイペースとなっている。

利上げはいつまで続くの?

 ただ、急速なペースの利上げは、住宅ローン金利の上昇による支払い負担の増加、住宅価格の大幅な下落など副作用をもたらしている。個人消費や企業の設備投資が落ち込めば、景気を冷え込ませかねない。そのため、RBAが今後どこまで金利を引き上げ、高い金利をいつまで続けるかが焦点となっている。

 オーストラリアの著名エコノミストであるビル・エバンス氏(ウェストパック銀)は、今回の金利のターミナル・レート(上限)は「5月までに3.85%」、利下げに転じるタイミングは「24年以降」と予測している。

 一方、コモンウェルス銀オーストラリア経済調査部長のギャレス・エアード氏は、RBAが同金利を2月に0.25ポイント引き上げる可能性が高いとしつつ、0.40ポイント引き上げる可能性も否定できないと指摘している。その場合、利上げは3.50%で打ち止めになると見ている。

■ソース
RBA Rate Indicator – February 2023(ASX)
Australia & New Zealand Weekly, Week beginning 6 February 2023(Westpac Institutional Bank)
Economics Update, 2 February 2023(Commonwealth Bank of Australia)

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