シドニー市議選法人投票権拡大狙い

市長、市議会民主主義破壊と反発

 以前に、NSW州保守連合政権は、地方自治体議会議員と州議会議員の兼任を禁止する法律を成立させた。少なくない数の議員が選択を迫られたが、当時、狙いは州議会のあるシドニー市のクロバー・ムーア無所属市長追い落としだといわれていた。州議会議員を辞職したムーア氏はその後の市議会選で市長の地位を堅持し、12年にわたってシドニー市の政策をリードしてきた。

 現在、州議会は、シドニー市議会の法人投票権を現在の1法人1票から2票に増やし、法人にも義務投票制を課する法案を成立させた。市内の法人は自由党寄りの企業が多いため、現在、シドニー市に登記している8万法人に各2票を割り当て、義務投票にすればムーア現市長を破ることができる。しかし、この法改定の費用が1,200万ドルにのぼると報道されている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 前回選挙では10万法人のうち、投票したのは1,700法人のみだった。一方、市議会の歳入の80%は法人の地方税によるものだった。しかし、人間ではない法人選挙人登録などのコストは、プライスウォーターハウスクーパーズ社の試算によると、2016年度には782万ドル、2017年度には421万ドルにのぼる。

 ムーア市長は、「この法案は民主的手続きを危うくするものであり、まったく無意味だ。政略のためだけに巨額の住民の税金を無駄遣いすることはスキャンダル以外何物でもない」と発言している。

 この法案は、射撃遊漁党議員が提出し、マイク・ベアード州政権が賛成して通過したもので、法人や地主に対しては常に正確な法人登記を義務づけている。これに対してムーア市長は、「常に正確な法人登記を実行することは不可能であり、選挙で負けた候補者が、法人登記の不正確を理由にやり直し選挙を求める訴訟を起こすことが考えられる」と語っている。
■ソース
Ratepayers foot $12m bill for businesses to vote in City of Sydney elections

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