UNESCO、豪世界遺産縮小却下

アボット政権、10分で門前払い同様

 国内では貴族的な専断政治を続けているトニー・アボット保守連合政権だが、さすがに国際機関には勝てず、林業鉱業開発を狙ってUNESCOに申請していた世界自然遺産地域の縮小はわずか10分の審議で却下された。

 問題の地域はTAS島中央部のアッパー・フロレンタイン・バレーとバトラーズ・ゴージ地域で、世界自然遺産に登録されているが、先の外遊でもアボット首相が行く先々で宣伝したように現政権は熱烈な林業鉱業開発推進派で、この地域の一部7万ヘクタールを超える部分を、「手つかずの自然ではない」という理由をつけて、世界自然遺産から除外するようユネスコの世界遺産委員会に申請していたが、アラビア半島カタールの首都ドーハで開かれていた委員会はわずか10分でアボット保守連合政権の要請を却下した。

 この地域は昨年連邦とTAS州の領労働党政権、林業界、自然保護団体などが平和協定の一環としてそれまでの世界自然遺産地域に加えられた17万ヘクタールの一部。自然保護活動家はこのニュースを歓迎しており、アボット政権が国際的にも恥辱をなめたと冷ややかに評している。保守連合政権は、「この74,000ヘクタールは過去に伐採されたことがあり、林業に開放すべきだ」と主張していたが、「伐採があったのは面積で8.6%だけで、残りは人跡未踏の原生雨林」と反論していた。

 ドーハでの委員会ではポルトガル代表が、「豪政権の要求を受け入れることが今後に容認しがたい先例を残すことになる」と反対発言を行った。アボット保守連合の「74,000ヘクタール世界遺産からの登録取り消し」を委員会がわずか10分で却下したことについて、ウィルダネス・ソサエティは、「世界が森林保護の側についていることを示すもの」と語っている。

 アボット連邦政権とウィル・ホジマンTAS州政権はドーハ決定に落胆の意を表明しているが、野党労働党のマーク・バトラー環境スポークスマンは、「林業界と自然保護団体、連邦、州政府が長年の対立の後に合意にこぎつけた結果に対してなぜトニー・アボットはわざわざこれを破棄したいのか、理解に苦しむ。過去に世界遺産登録取り消しを申請した国はタンザニアとオマーンだけだ。オーストラリアは3番目の国になった」と政府を批判している。

 オーストラリア、特にアボット保守連合政権は、石炭積出ターミナル港浚渫に伴う泥土を世界自然遺産に指定されている広大なサンゴ礁水域海洋国立公園グレート・バリア・リーフの片隅に捨てる計画でも国際的な批判を浴びている。(NP)

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