首相、先住民族主導の協議計画蹴る

憲法に先住民族存在明記の問題

 トニー・アボット連邦首相は、連邦憲法を改定し、前文に先住民族の存在を明記する考えを支持する発言を繰り返してきた。また、アボット首相は、ノエル・ピアソン、マーシア・ラングトン、ウォレン・マンディーン各氏らアボリジニ内の経済改革派を評価する発言をしており、特にウォレン・マンディーン氏を先住民族問題顧問に取り立てている。しかし、ここに来て、首相は、ピアソン氏らが主張する「先住民族主導型の協議計画」に反対の意思を示し、ピアソン氏は、これに対して、「憲法問題は、アポロ13号の月着陸のように破綻寸前だ」と発言した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 ピアソンは、アーネム・ランドで開かれていたガーマ・フェスティバルに集まった各コミュニティのリーダーを前にして発言したもので、フェスティバルでのリーダー達の集まりは先住民族の首脳会議として位置づけられている。

 改憲問題ではリーダーの一人、パトリック・ドッドソン氏とピアソン氏が政府に建議書を提出し、各先住民族コミュニティが改憲問題で合意する手続きとして先住民族による会議を何度か開くことを提案している。これに対してアボット首相は、「先住民族だけの会議は、国民が一体となる『私達』ではなく、『彼らと我ら』という意識を生むことになる」と返答している。

 これに対してピアソン氏は、「アボット氏は、私達が提案したタウンホール型の話し合いではなく、他の形を提案している。しかし、アボット氏がそこで何を議論するのか全く不明だ。アボット氏は、この憲法に明記する問題で先住民族を協議の場から外したいのではないか。先住民族が合意に達することも疑っているのではないか。そもそも、首相の手紙には肝心なことが触れられていない。過去3年間憲法に明記する考えが言われてきたが、先住民族がその作業にどう関わるのかを明らかにしないのではどうしようもない」と語った。また、ドッドソン氏は、「先住民族リーダーが首相に送った提案が拒絶された。非常に難しいことになっている」と語った。

 野党労働党のビル・ショーテン党首は、「政府はこの2,3週間のブロンウィン・ビショップ問題などでマヒ状態になっているが、先住民族代表の提案を真剣に受け取るべきだ。この問題では柔軟に対処すべきだ。また、先住民族の声を十分に受け止めることがこの改憲問題の主旨に添うことだ」と語っている。
■ソース
Garma 2015: Tony Abbott knockback to Indigenous-led consultations plan makes constitution recognition ‘an Apollo 13 mission’

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