「有給産児休暇、来年から決行する」

「不公平予算」の大合唱押しのけ

 有給産児休暇(PPL)は、勤労女性の産児休暇にその前の週所得を26週間給付するというもので、年所得10万ドルが上限で、半年間で5万ドルが保障される。しかし、年所得2万ドルのパートタイム女性には1万ドル給付、専業主婦や牧場など労働しながらも個人所得のない女性には支給されない。この制度を「高額所得者優遇の不公平福祉」とする批判が労働団体や福祉団体からも続出している。一方で、30歳までの若年者は半年間失業手当待機期間が設けられ、その後半年間支給されるがその間に仕事を見つけるか、教育訓練を受けるかしなければならない。半年後には手当てが停止され、同じサイクルが繰り返される。しかも、社会福祉省が「30歳以下の失業妊産婦も除外されない」と通達したことが報道されている。

 6月11日には、ジョー・ホッキー財相が、「政府は教育訓練を提供するが、後は個人の自己責任だ。この予算を不公平予算と言うのは階級闘争論だ」と語り、予算は公平だと強調した。

 6月12日には、ホッキー財相が、「PPLを来年から実施する」と発表した。PPLは企業だけでなく、農村部を支持基盤とする国民党議員の間でも不評だが、「18週間一律最低賃金額支給」という労働党のPPLの対案としてトニー・アボット連邦首相が野党時代から練ってきた制度であり、これまでのいきさつからアボット氏に妥協を期待することはかなり難しい。政府は、この制度自体はまだ細部を煮詰めていないとしているが、ホッキー氏は、「来年からの実施に向けて着々と進んでいる」と語っている。

 ケビン・アンドリューズ社会福祉相は、「法案はまだ固まっていない。農家の女性やジョッキーのような自営業の女性に支給するための条文を練っている。こういう法律は最初にきちっと作っておかなければならない。6月末までの現上院には送らない」としている。

 野党労働党のクリス・ボウエン影の財相は、「ホッキー氏は、政府の施しをあてにする時代は終わったと語ったが、PPLは高額所得者に対する気前のいい施し制度ではないか」と批判しており、ホッキー氏はこのような批判が「階級闘争論」だと反論している。(NP)

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