「有罪判決を待っていては骨抜き」

テロ容疑者国籍剥奪問題で内部通達

 トニー・アボット保守連合連邦政権が編成している「テロ容疑者国籍剥奪」を可能にする法案は、移民大臣の一存でテロ活動容疑者の国籍を剥奪することができるようになる。しかし、このような法律は国内法にも国際法にも違反し、オーストラリア国法の基礎理念にも反するとの指摘が法曹界などから出されている。また、アボット首相も、「この法律が行使されれば違憲訴訟などの挑戦を受けることになるだろう」と認めている。一方、「議論では、テロ活動容疑者の裁判有罪判決を待っていては法律が骨抜きになることを強調するように」との内部通達が閣僚に配布されていることが報道されている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 この通達はウエスト・オーストラリアン紙が入手し、報道したもので、「テロ活動に関与した者が二重国籍者だった場合、オーストラリア国籍を剥奪するというもので、テロ活動に関与した容疑がかけられただけで、移民相の一存でその者のオーストラリア国籍を剥奪することができる。また、ABC放送職員が閲覧した通達では、「もし、オーストラリア国籍保有二重国籍者の有罪判決を待っていては、イスラム国メンバーのほとんどがオーストラリア国籍を維持できることになる。ほとんどの場合、オーストラリア国籍者がテロ・グループに参加した場合に警察機関がその事実をつかむことができるが、裁判で有罪判決に持ち込むだけの証拠をそろえることは難しい」としている。

 しかし、先週には検事総長が、「この法案は、裁判によらず、大臣にその一存で国民を有罪と決める権限を与えることになり、現在の形では違憲」と明言しており、アボット首相も、「この法案が法律になれば連邦高裁で違憲判決を受ける可能性もある。しかし、われわれの法案が違憲判決を受ける危険は最低限に抑えることができるはずだし、繰り返すが、この法律は国民の安全を保証することが目的だ」と語っている。
■ソース
Requiring terrorist conviction before revoking citizenship would make law ‘toothless’, ministers told

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