「ABC局内で責任者処罰を」と首相

「ABCは政府広報ではない」と会長

 ABCテレビ放送の討論番組「Q&A」で元テロ容疑被告人経験者とスティーブ・チオボ下級大臣との口論が起きたことで、トニー・アボット保守連合政権閣僚が一斉にABC批判発言を行った。しかもアボット首相のABC批判は6月22日の放送以来次第にエスカレートしており、「ABCは誰の味方か」という発言から、26日には遂に「ABC局内で責任者を処罰しなければならない」と言うようになっている。これに対して、マーク・スコットABC会長が、「ABCは公共放送。政府広報機関ではない。対立する意見があれば双方を紹介する義務がある」と真っ正面から反駁している。ABC放送は最近には労働党前政権のジュリア・ギラード、ケビン・ラッド両首相の反目と内紛を扱った「Killing Season」を放送しており、アボット首相がABC放送に感謝する発言をしたばかり。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 さらに、スコット会長は、「時の政府からのABC放送の独立性は最大の努力で守らなければならない。時として、言論の自由の原則は、自分と基本的に相容れない考えに対しても発表の機会を与えなければならない。メディアは、犯罪者や腐敗政治家にも発言の機会を与えている。彼らは一般社会の価値観と相反する考えを表明することがある。特定の見方や考え方を排除する前に基準を高く掲げなければならない」と語っている。

 また、アボット首相の、「ABCは誰の味方だ?」という質問の回答として、スコット会長は、「ABC放送は明確にオーストラリアの側に立っている。ABCのAはオーストラリアだ。私たちの立場は私たちの文化や私たちの民主主義にとって中道であり、独立した公共放送ということだ。政府からの独立という性格がABCを公共放送として形作ってきた。決して政府広報機関ということではない。誰も本気でABCが政府広報機関になることを望んでいないことを期待している。北朝鮮、ロシア、中国、ベトナムその他の国では国営放送が政府広報機関になっているが、私たちはそうではない。元テロリスト容疑者のザキー・マラーに発言を許したことはミスだったが、Q&A番組そのものは長寿番組としてその時々の動きに耐えて生き続ける番組だ」と語っている。

 また、政府が調査したいなら協力するし、内部調査もする考えだとも語っている。また、マルコム・タンブル通信相がABCの番組でインタビューを受けたが、アボット首相の発言に対する支持を表明せず、またケビン・アンドリュー国防相の、「Q&Aボイコット」にも反対の意見を表明した。
■ソース
Q&A: Mark Scott fires back at Tony Abbott, saying ABC is not ‘a state broadcaster’

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