シドニー虹色通信──被災地を想う 第3回

東日本大震災・被災地を想う シドニー虹色通信

プロフィル◎JCSシドニー・レインボー・ステイ・プロジェクト
2011年3月11日東日本大震災発生の年、被災児童を支援する目的でシドニーで発足した保養プロジェクト。毎年夏休み期間中に、10人の小中高校生を東北からシドニーにホーム・ステイ招待している。また毎年3月11日前後には、震災復興支援とファンド・レージングの目的で「3.11震災復興支援イベント」を開催している。シドニー日本クラブ(JCS)傘下団体。www.jcsrainbow.com

文:Yukiko Salisbury(プロジェクト代表)

第3回 折り鶴に願いを込めて

私は小中学生のころ、日本のガール・スカウトに所属していたので、よく街頭で赤い羽根募金をしていました。その経験からすぐに被災地に送る募金活動を思い付いたのですが、シドニーに赤い羽根はありません。でも募金をしてくれる人たちに何かの形で気持ちを返したいと考えたのが「折り鶴」でした。日本の伝統文化である折り紙で鶴を折って渡そう…。被災地の人たちを想いながら鶴を折れば気持ちも伝わるかもしれない、そのような思いつきをフェイスブックに投稿しました。すると、たくさんの人たちから「折り鶴募金に参加したい、鶴を折りたい」というメッセージが届きました。

そこで早速、募金活動ができる場所を探しました。私はシドニー有数の観光地であるマンリー・ビーチの近くに住んでいるので、マンリー・ビーチの歩行者天国を思いつきました。週末になると国内外からたくさんの観光客がそこを訪れるからです。

すぐにマンリー・カウンシルに問い合わせ、いろいろと必要書類もあったので、以前関わっていたシドニー日本クラブに協力をお願いしました。マンリー・カウンシルも日本クラブも快く協力してくれました。特にマンリー・カウンシルは、1カ月前の申し込み締め切りが規定なのですが、私は3月中に街頭募金を実施したかったのでその旨を伝えると、特別に許可をしてくれました。

こちらのお役所も普段は融通が利かないのですが、事情を理解し協力してくれたのはとても嬉しかったです。そういう経緯で、震災発生の2週間後、2011年3月26日にマンリー・ビーチの歩行者天国で折り鶴街頭募金イベントを開催することになりました。

集客率をアップするため、ステージでのパフォーマンスも披露しました。シドニー在住の大勢の著名パフォーマーが参加してくれました。折り鶴募金活動グループの名称やロゴも決める事にしました。「3.11 HELP JAPAN」です。

こうしてスタートした「折り鶴街頭募金」活動の第一弾は、ボランティア数述べ500人、募金は1日で300万円が集まりました。そこに集まった折り鶴は何万羽という数になりました。シドニー在住日系人の中からは「自分の実家が東北、家が心配だがすぐに帰国することができない、心配で気が狂いそうだったが、折り鶴を折ることで気持ちが鎮まった」という声も聞きました。

このような経緯で始まった折り鶴募金活動は、その後シドニーのさまざまな地域で展開されました。(続く)

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