声を聴く/福島先生の人生日々勉強

福島先生の人生日々勉強
声を聴く

「良い仕事をしよう、良い結果を出そう」と魂を込めて努力している人ほど、ついつい頑張り過ぎてしまいます。いい加減な人ならば、「このくらいできていれば合格かな」と自分で適当に及第点を付け、ほどほどのところで手を打ちますが、義理堅く、真面目な人にはそれができません。ですから、食べることを疎かにし、寝る時間も削り、そびえ立つ高い目標に向かってひたすらに登り続けます。確かに、そうすることで結果がついてくることもあります。しかし、良いと思える幾つかの成功体験が仇となり、身を亡ぼすことになったという例が数知れずあるということは知っておくべきでしょう。

あまりに高い目標を立てると、辿り着けない自分にイライラが募ります。頑張り屋さんは、できるだけ早くゴールに着きたいと気を急ぐ傾向にあるので、直ちに結果が出ないことにさえ苛立ちます。ところが、このイライラは我が身の不調となって、自分自身を攻撃します。すぐに現れる症状には、頭痛、肩凝り、胃痛、吐き気、耳鳴り、神経痛など、生活するのが辛くなるものばかりです。症状は外見にも容赦なく現れます。顔色は悪くなり、唇は割れ、髪はパサパサ、目の下にはクマ。そんな姿を鏡で見た日には更に気がめいってしまいます。こうした症状を甘く見ていると、あっという間に老け込んでしまいますし、長期にわたった結果、取り返しのつかない重病につながる恐れもあります。自分はタフだから大丈夫と高を括っていると、痛い目に遭うかも知れません。自分だけは大丈夫だと考えてしまうところも人間らしくはありますが、人間だからこそ、例外なく誰の心にも体にも限界があるのです。

「良い仕事が残せれば、人生なんて短くて良い」という人がいますが、本当にそうでしょうか。そういう「太く短く」というタイプの人ほど、結果の出来栄えに強いこだわりがありますから、きっといつまでも完璧だと自分が納得できる日は来ませんし、無理をして頑張って体を壊してしまった時に、「まだまだもっとこれからやりたいことがあったのに」と後悔します。

「仕事なんて大体できていれば良いじゃない」と言っているわけではありません。「良い仕事をしたい、喜んでもらいたい」と思って働くのがすばらしいに決まっています。だからこそ、自分の心と体を大事にして欲しいのです。せっかく頂いた命です。大事にすれば、長く良く働いてくれる体です。無理を強いて自らを壊すことなく、心と体の声を聞き、1日の終わりにはきちんと労わってあげられるような生活を送りましょう。それぞれに持ち得たこの唯一無二のありがたい心と体を存分に生かして、すばらしい人生を歩み、すばらしい世界をつくっていく喜びをゆっくりと味わいましょう。


福島先生の教育指導

教育専門家:福島 摂子
大阪府出身。32年間、教育に携わり、教育カウンセリング・海外帰国子女指導を主に手がける。1992年に来豪。シドニーに私塾『福島塾』を開き、社会に奉仕する創造的な人間を育てることを使命として、幼児から大学生までの指導を行う。2005年10月より拠点を日本へ移し、日々活動の幅を広げていく一方で、オーストラリア在住者に対する情報提供やカウンセリング指導も継続中である。

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