2016年1月 ニュース/コミュニティー

12月12日、シドニーに空港に到着した「R2-D2™ ANA JET」(撮影:馬場一哉、以下同)
12月12日、シドニーに空港に到着した「R2-D2™ ANA JET」(撮影:馬場一哉、以下同)

鏡割りは新潟県の日本酒「上善如水」(白瀧酒造)で行われた

鏡割りは新潟県の日本酒「上善如水」(白瀧酒造)で行われた

ANA初便、シドニー到着

スターウォーズ・ペイント搭載機

16年ぶりの復活となる全日本空輸(ANA)のオーストラリア路線、羽田~シドニー線の初就航機が2015年12月12日、シドニー空港に到着した。

初便の機体には人気映画、スターウォーズのキャラクターの中でも特に人気の高いキャラクター「R2-D2」を前面にデザインした特別塗装機「R2-D2™ ANA JET」を使用。18日にスター・ウォーズ・シリーズの10年ぶりの最新作『スターウォーズ/フォースの覚醒』が公開されることから、注目度はさらなる高まりを見せており多くのメディアが現場に訪れた。

シドニー時間午前9時33分、定刻より2分早く着陸した「R2-D2™ ANA JET」は放水アーチで出迎えられた。到着後行われたセレモニーではケリー・メザー氏(シドニー空港CEO)、稲田健也氏(全日本空輸株式会社・上席執行役員)、高岡正人氏(在シドニー日本国総領事)、ジョナサン・オ・デア氏(NSW州政府議員)ら4人が登壇し、初就航便の到着を祝った。

日本からオーストラリアへの旅行客は現在年間約30万人と言われているが、日豪経済連携協定(EPA)の締結などといった要因もあり今後も増加が見込まれている。さらにオーストラリアからの訪日客も年々増えており、2014年には30万人を超えた。こうした状況を受け、16年ぶりの就航再開となった。

全日本空輸株式会社、定行亮氏(シドニー支店長)はセレモニー後のインタビューに対し「今後、国際線を強化していく中で南半球の拠点としてオセアニア最大の都市シドニーを選ぶという当社の戦略に加え、日本、オーストラリア、双方の需要が高まっていることもあり今回の運びとなりました。まずは本日、無事にオン・タイムで到着することができて良かったです。1990年代には日豪間では90万人ほどの行き来があったが、今回の就航をきっかけに数年かけて90万人、更には100万人以上の往来を実現できればと思います」と話した。


挨拶を行った草賀純男駐豪日本大使
挨拶を行った草賀純男駐豪日本大使

天皇誕生日祝賀レセプション開催

草賀純男駐豪日本大使夫妻は2015年11月25日、公邸において、天皇陛下の誕生日を祝うレセプションを開催した。同レセプションは、「Discover the Spirit of Japan」のコンセプトの下、キャンベラにいながらにして日本の素晴らしさを体感してもらうことをテーマに行われた。当日は、サウスコット議員を含む連邦議員、連邦政府関係者、各国大使、大学関係者、日系企業関係者、日系コミュニティー代表など約430人が参加した。

草賀大使はあいさつの中で、協力頂いた日本企業への謝意を述べ、これらの企業によるイノベーティブな展示を紹介しつつ、15年は日豪EPAの発効をはじめ日豪関係にとって重要な年であったこと、強固な日豪関係はアジア太平洋地域の安定と繁栄にとってのカギであると述べ、「日本大使として経済、防衛、安全保障、文化といった分野で日豪関係を一層強化すべく努力していきたい」と強調した。

今回のレセプションでは、公邸内での企業展示、和太鼓演奏に加え、新たな試みとして館員による少林寺拳法のデモンストレーションを行った。また、公邸内の日本庭園を楽しんでもらうとともに、屋台を出して日本の食事や飲み物の提供を行った。


シニア部門最優秀賞のモーリーン・オルモさんには日本航空から日本へのチケットが贈られた
シニア部門最優秀賞のモーリーン・オルモさんには日本航空から日本へのチケットが贈られた

中学・高校生作文コンテスト授賞式開催

在シドニー日本国総領事館で2015年12月3日、第2回NSW州・北部準州中学・高校生作文コンテストの授賞式が行われた。同コンテストは日本へのより良い理解と日豪関係の発展を目的として、日本航空、JTB、ユニクロ、紀伊國屋書店協賛のもと在シドニー日本国総領事館が主催。ニュー・サウス・ウェールズ州、ノーザン・テリトリーの中学・高校生を参加対象としている。

2回目を迎える今年は584人が参加し、ジュニア部門ではレニー・ツァングさん(シドニー・ガールズ・ハイスクール)、シニア部門ではモーリーン・オルモさん(ノーザン・ビーチ・セカンダリー・カレッジ・マッケラー・ガールズ・キャンパス)が最優秀賞に選出、また15年の最優秀校にはシドニー・ガールズ・ハイスクールが選ばれ、授賞式では高岡正人在シドニー日本国総領事からねぎらいの言葉がかけられた。16年にも第3回コンテストが開催される予定。


トリビア・クイズ司会の岩崎さん 総合司会の山田さん(左)と善木さん
トリビア・クイズ司会の岩崎さん 総合司会の山田さん(左)と善木さん

2015年クリスマス・パーティーを開催
シドニー日本人会

シドニー日本人会(会長=桝谷亨:三菱東京UFJ銀行)のレクリエーション委員会(委員長=笠原昌哉:JTBオーストラリア)は2015年11月28日、シャングリ・ラ・ホテルで真夏の恒例イベント「クリスマス・パーティー」を開催。日本人会員を中心に57人が参加した。

今年の総合司会は、山田俊哉さんと善木麻衣子さんが担当。桝谷会長による開会の挨拶、高岡正人総領事による乾杯の音頭に続き、日本人会員のボランティア・スタッフの協力の下、会員企業から寄贈された豪華賞品が当たるラッフル抽選会や、岩崎久美さんの司会によるテーブル対抗トリビア・クイズなど、大盛況のパーティーとなった。


視察会に参加した観光・運輸・通信・生活産業部会メンバー
視察会に参加した観光・運輸・通信・生活産業部会メンバー

「ライオン・ビール工場視察会」を開催

シドニー日本商工会議所の観光・運輸・通信・生活産業部会(部会長=小崎剛彦:KDDIオーストラリア)は2015年12月2日、「ライオン・ビール工場視察会」を開催、18人が参加した。

参加者は、ライオン社のバック・オフィスで「ビールの作り方・種類」「豪州のビールの歴史、ビール消費実態からみる豪州経済」に関する説明を聞き、その後、同社のシドニーにおける拠点工場であるTooheys工場を訪問。ビールの製造現場などを見学した。


石炭・化石燃料産業に関する法律を解説するクリステンセン氏(右)と梁氏
石炭・化石燃料産業に関する法律を解説するクリステンセン氏(右)と梁氏

セミナー「石炭・化石燃料産業および関連する法体制の現状」を開催

シドニー日本商工会議所の資源・エネルギー部会(部会長=四居利之:伊藤忠ミネラルズ&エナジーオブオーストラリア)は2015年12月3日、「石炭・化石燃料産業および関連する法体制の現状 – Getting to First coal : It’s not Mission Impossible −」をテーマにセミナーを開催、28人が参加した。

オーストラリアの石炭・化石燃料プロジェクトの開発に対するさまざまな利権団体からの抗議活動は、過去数年にわたって活発化しており、特にニュー・サウス・ウェールズ州における複数のプロジェクトでは、市民による抗議活動が発生している。セミナーでは、ベーカー&マッケンジー法律事務所パートナーのフィリップ・クリステンセン氏とアソシエートの梁世郁(ヤン・セウ)氏が、石炭・化石燃料産業に関するニュー・サウス・ウェールズ州、クイーンズランド州およびオーストラリア連邦の法律を分析。さらに、州と連邦議会が取り組む環境と開発のバランス確保に配慮した政策を解説した。


新春経済講演会・賀詞交歓会を開催

シドニー日本商工会議所(会頭=卯滝勝:豪州三井物産)の企画委員会(委員長=石原均:日立オーストラリア)と金融・投資部会(部会長=奥澤徹:野村オーストラリア)は2月4日、シャングリ・ラ・ホテルで新春経済講演会・賀詞交歓会を開催する。

講師は、野村オーストラリアの協力により野村資本市場研究所シニア・フェローの関志雄氏、さらに、みずほ銀行の協力により、みずほ総合研究所常務執行役員・チーフ・エコノミストの高田創氏を迎え、2016年の世界経済や日本経済の見通しについて聞く。

申し込みは、シドニー日本商工会議所に問い合わせ申込用紙を取り寄せた後、必要事項を記入して同所へ送付する。

■JCCI新春経済講演会・賀詞交歓会
日時:2月4日(木)5PM~9PM
会場:シャングリ・ラ・ホテル
料金:シドニー日本商工会議所会員$150、非会員$170(いずれもGST込み)
定員:70人(先着順)


オーストラリアの資産運用業界の構造を説明する志賀氏
オーストラリアの資産運用業界の構造を説明する志賀氏

セミナー「豪州の資産運用業界と年金市場」を開催

シドニー日本商工会議所(会頭=卯滝勝:豪州三井物産)の金融・投資部会(部会長=奥澤徹:野村オーストラリア)は2015年11月26日、「豪州の資産運用業界と年金市場」をテーマにセミナーを開催、20人が参加した。

当日は、日興アセットマネジメント・オーストラリアリミテッド、ストラテジック・ファイナンシャル・アナリストの志賀弘司氏が、オーストラリアの資産運用業界の構造を解説。さらに、拡大を続けるスーパーアニュエーション市場の特徴や、直近のトレンドなどを説明した。


富士通オーストラリア、JOCセミナーを実施

富士通の豪州法人・富士通オーストラリアは2015年12月9日、シドニー市内のヒルトン・ホテルで、在豪日系企業を対象としたセミナー「富士通オーストラリアJOCセミナー」を開催。約30人が参加した。

JOCは、日本企業のグローバル展開をICTでバックアップするための部門「JOC=Japan Originated Company」の略称。セミナーでは、会川徹氏が基調講演「Australian Economy and ASEAN」を行った後、富士通株式会社の福永一徳氏が「富士通の取り組み~ICTによるイノベーションの創出~」をテーマに、富士通および富士通オーストラリアの事業内容などを紹介した。

特別セッションでは、富士通オーストラリアのBrian Schwartz氏、Joel Lopez氏と、トレンドマイクロ株式会社の松本彩氏がそれぞれ「セキュリティー対策」に関して講演。

最後に、富士通オーストラリアのロイド暢子氏が、オーストラリア進出企業向けに新規事務所設立時のITインフラ環境立ち上げサポートを行う「らくらくITスターターパック」についての説明を行った。


JASIC、第3回医療・福祉セミナーを開催

オーストラリア在住の日本人を対象に福祉サービスを行う団体、JASIC(在豪邦人コミュニティー・サポート)は2月6日、医療・福祉セミナーを開催する。定員は80人。

第3回目となる今回のテーマは、「オーストラリアの医療制度を知る(プライベート編)」。講演は日本語で行われ、オーストラリアの医療福祉現場で働く日本人の医療福祉関係者が、現地の医療制度の概要を分かりやすく解説する。

講演内容は、①「JASICの活動状況及び会員サービスについて」(JASIC代表)、②「プライベート医療保険とプライベート医療システム」(リハビリテーション科医師)、③「プライベート医療保険(タックスの観点から)」(CPA公認会計士)の3つ。セミナーへの参加希望者は、以下に連絡を。

■JASIC(在豪邦人コミュニティー・サポート)
日時:2月6日(土)1:30PM~3:30PM (開場:1PM)
住所:Dougherty Community Centre, 7 Victor St., Chatswood NSW
料金:会員は無料、非会員は$10(現金のみ)
Web: www.facebook.com/jasicinc
申し込み・問い合わせ:0456-219-340 、info@jasic.org.au(JASIC代表:沼田貴史)
備考:電話で問い合わせを希望する人は、日本語で名前、年齢、連絡先を伝える。


SBSラジオ日本語放送1月のハイライト

SBSラジオ日本語放送は毎週、火曜、木曜、土曜の午後10〜11時に番組を放送している。番組は、AMラジオ1107khzにチューンを合わせる方法と、デジタル・テレビのデジタル・ラジオ「SBS Radio1」を選択する方法で聞くことができる。

1月の「シドニーサイド」では、カナダ人落語家・桂三輝(サンシャイン)さん(2015年のインタビューより再放送)をはじめ、シドニー日本クラブの2016年、空手の初稽古、新極真会NSW支部の八尋康成さんなどのインタビューなどをお届けする予定。

なお、毎月最終週の木曜に、日豪プレス翌月号の見どころを紹介している。次回は1月28日(木)放送予定。

■SBSラジオ日本語放送
Email: Japanese.program@sbs.com.au
Web: www.sbs.com.au/Japanese
Facebook: www.facebook.com./SBSJapanese


崖のふち近くに立つ日本兵の墓
崖のふち近くに立つ日本兵の墓

2段目一番右が工藤修中尉

2段目一番右が工藤修中尉

■コラム「ダーウィンからの便り」番外編

旧日本兵の墓、アボリジニーたちの願いは

「日本兵の墓を見たいか?」海底に沈む第2次世界大戦の戦闘機などを調査している海洋考古学者のユング氏は、2013年、ブルームでの調査中に地元のアボリジニーに話しかけられました。ブルーム市街近くの入り江、崖の端からほんの少し離れた所にその墓標はありました。石を積み重ねただけの素朴なお墓。部族の伝承によれば、昔ブルームが攻撃された時に、パラシュートとともに木の枝にぶら下がっていた日本兵の遺体を、石の下に埋葬したのだそうです。

ユング博士の検証の結果、それは1942年3月3日ブルーム空爆時に亡くなった日本帝国海軍の工藤修中尉のものである可能性が高いことが判明しました。その時に撃ち落とされた飛行機は1機のみ。しかしアボリジニーの伝承だけで遺体がそこに埋められていると決めつけるのは早急です。戦時中の混乱時、もしかしたら空爆で亡くなったオランダ人避難民の可能性だってあります。いえ、もしかしたら石の下には何も無いかもしれないのです。

きちんとした調査が必要だと考えたユング博士は地元警察から遺体の採掘の許可を得、またダーウィンの日本語ラジオに調査を依頼。日本の歴史学者、そして工藤氏の地元、大分の神社などを通して遺族の方を探し出しました。

地元アボリジニーたちの「日本の兵隊は日本へ帰してあげるべきだ」という思いから始まった遺族探しでしたが、やっと見つけたご家族からは「そのままにしておいて欲しい」との驚くべき返事。たくさんの死者が出た地元民への配慮からの言葉だと思われます。ブルーム空爆では88人が亡くなっており、その多くは民間人です。

だからと言ってこのままにしておくわけにはいきません。墓標は長年海からの浸食により、まさに崖っぷちにあり、今年の雨季を乗り越えられるかどうかさえ定かではありません。露出してしまえば遺骨は海に流れ落ちてしまいます。

地元アボリジニーの人々は日本に返すことが無理でも、せめてきちんとしたお墓をたてて慰霊してあげたい考えています。ブルームには戦前、真珠貝採取の潜水夫がたくさん住んでおり、今でも日本の血を引く人たちが多く、彼らにとってはこの日本兵も家族のようなものなのだそう。だからこそ72年もの間ずっと墓を守ってきてくれたのです。

このアボリジニーたちの願いはかなうのでしょうか。そしてこれは私たち日本人にとっても他人事ではありません。日本のために戦い命を落とした人のお墓を、遠い異国で朽ち果てさせ、遺骨を海に流してしまって良いのでしょうか?

ダーウィン日本語ラジオでは引き続き情報を集めています。ご協力いただける方、情報をお持ちの方はFacebookページ(Web: www.facebook.com/darwinjapaneseradio)へご連絡ください。

平山幸子
2006年会計学修士取得のため来豪、元北部準州政府多文化共生アドバイザー、ダーウィン日本語ラジオ・プレゼンター


ザッカリー松村君
ザッカリー松村君

日系ジュニア・ゴルファー、最優秀選手賞に輝く

オーストラリア最大のジュニア・ゴルフ団体、ジャックニュートンジュニアゴルフ(JNJG)による公式ディナーが2015 年12月6日、盛大に開催された。シドニー在住のジュニアゴルファー、ザッカリー松村君(13歳)が、4連続優勝などを含む功績をたたえられ、JOMトーナメント・シリーズの最優秀選手賞を獲得した。2016年の活躍にも期待したい。


空から望む現在のダーウィン港
空から望む現在のダーウィン港

■コラム「ダーウィンからの便り」

過去から学び、未来へ生かす

ダーウィン港で戦争疑似体験施設が建造される予定があります。3Dを使い、まるで1942年2月19日ダーウィン港にいたかのような体験ができる、と言うのが売りだそうです。またホログラムを使って、米海軍軍艦の艦長の体験も語られます(編集部注釈:第2次世界大戦中の1942年2月19日、日本軍はダーウィン市を空爆、少なくとも243人が死亡。日本がオーストラリア本土に対して行った最初にして最大規模の攻撃だった)。

オーストラリア人は日本人と感覚が違うのか、悲劇を商業的に使うことに抵抗が無いようです。ダーウィンのもう1つの大きな悲劇と言えば1974年に町を壊滅的に破壊したサイクロン・トレイシーですが、博物館内に暴風雨と当時の音を体験できる部屋がありますので(さすがに雨にぬれる体験はできませんが)、ダーウィン空爆を観光誘致に使うために、疑似体験をさせるという発想はある程度予想できたことでした。

そして戦争というのが、観光につながるということをオーストラリアの人々はよく理解しています。毎年アンザック・デーのころにはかなりの人数が当時敵国であったトルコのガリポリに向かい、第1次世界大戦で自国の為に命を落とした兵士を弔います。

しかし同じことはダーウィンでは起こりませんでした。ウルルには行く観光客も、ダーウィンは訪れません。北部準州(NT)政府の多文化共生大臣はハワイの戦争博物館で入場者の半数が日本人であることに驚き、「なぜダーウィンには誰もやって来ないのだろう」と思ったのだそうです。NT観光局が、日本からの観光客をあきらめ、他のアジア諸国からの観光客誘致に走るのもうなずけます。しかし、このままで良いのでしょうか。3D疑似体験施設があまりにリアルすぎると、日本への憎しみが再燃して日豪の両国間に軋轢が生じる可能性も出てくるかもしれません。

日本人は「時がたてば忘れられるだろう」と考えていますが、他の国は違います。ダーウィンは空爆75周年にあたる2017年に向けて、事件を風化させないようにとイベントをさまざま打ち出していく予定です。今後2年間、じっと息をひそめて「リメンバー・ダーウィン・キャンペーン」が終わるのを待つか、それとも真正面から取り組んでいくべきなのでしょうか。

ダーウィン在住の日本人として言えるのは、このようなイベントは日本に過去の恨みをぶつけるために行われているのではなく、「過去から学び、未来へ生かそう」としているからなのです。オーストラリア人とともに過去を前向きに見つめてみませんか?(文=平山幸子)


海外でがんばる日本語新聞12社

海外日系新聞放送大会は2015年10月30日、東京・内幸町の日本プレスセンターで、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、フィリピン、インドネシア、シンガポールの12社代表が集まって開かれた。

戦後の移住者が多いブラジルでは、読者の平均年齢は80歳。日本語が読める世代は減る一方で、部数は減っている。日本からの進出企業は400社あるが、インターネット読者。新聞だけでは赤字、日本文化祭などの企画行事で補っている。

ジャカルタ、マニラでは、ほぼ日刊で宅配もしている。現地ニュースを日本語に訳して邦人社会に読まれている。日本語ができるインドネシア人が編集する場合もあり、JKT48というインドネシア女性歌手グループの人気は高い。

ニューヨークでは、フリーペーパーが多い。日本の私立一貫校の学生を招き、英語で取材させるインターンシップ制があり、日本人のコミュニケーション力をつける試みをやっている。

オーストラリアは月刊、日本企業の広告が増え、ラーメン、すし屋がよい広告主で、年1万人のワーキング・ホリデーの留学生向け広告も収入源。人件費が高い国なのが経営上の悩み。

どこの国でもインターネット・ジャーナリズムが伸び、活字メディアは苦戦という傾向にある。(文=東京・青木公)


オーストラリア戦時捕虜が来日
市民交流会で「戦争に勝利者はいない」

日本の外務省による「和解プログラム」で、2015年11月9〜16日に3人の元戦時捕虜(POW)のオーストラリア人が来日して、日本人との市民交流会に出席した。

戦後70年、戦争の実態を知らない日本人が増えるのを危ぶんだ市民グループである「POW研究会」がアメリカ、イギリス、オーストラリアの元戦時捕虜と毎年交流会を催している。

交流会代表の吉本妙子さんらは「安倍政権下で集団的自衛権問題や安保法案が出現し、再び戦時捕虜が出かねない時勢。多くの日本人は正しい歴史認識を持つべきだ」との考えでPOWと交流会を開き続けている。元POWは、90歳代後半となり、息子ら家族や介護士つきで来日した。

キース・ファウラーさん
キース・ファウラーさん

ジョン・ギルモアさん

ジョン・ギルモアさん

ジャック・トーマスさん

ジャック・トーマスさん

キース・ファウラーさん(94)はSA州在住。ジャワで捕虜となり、シンガポールのチャンギ収容所入り。その後タイとミャンマー国境の鉄道建設工事で強制労働させられた。戦後は小売業から公務員になった。帰国直近の3年間は心身疲労で入院、健康を取り戻すのに6年もかかった。「現在7人の孫、2人のひ孫がいる。愛と友情が生まれる社会を作ろう」と呼びかけた。

ジョン・ギルモアさん(96)は、スコットランドから移住、WA州で暮らしている。小柄だが、優れたスポーツマンで、キビキビと語った。チャンギ収容所から船で神戸に送られ、港湾作業で、体力が衰え一時は視力が落ちた。「実は戦後、いく度も日本に来ているんだ。1982年に河口湖10キロ・ロード・レースで優勝。93年に再来日、宮崎のロード・レースでも金メダル。捕虜だったころ、日本女性は着物だったのに、戦後は洋服姿でビックリしたよ」。日本各地のレースでは、日本人選手よりも私を応援してくれ、サインを求められた、と語った。

ジャック・トーマスさん(95)。SA州在住。中東でドイツ、イタリア軍と闘った。日本軍の泰緬鉄道工事で働かされ、さらに2年半、日本の炭鉱で苦役。「戦争に勝者はない。戦後は捕虜仲間と交流、退役軍人の集まりにも出ている。日本に招かれ、うれしい。平和を保ち、互いに尊敬しあっている。交流会の後、収容所跡を訪ねるのが楽しみだ。新しい日本と日本人の温かさを感じた。それをオーストラリアの人々に伝えたい」

息子は、田舎に帰ってきた父に多くを語らなかった。父子で日本に来て、すばらしい国なのが分かったと述べた。捕虜収容所で、POWを虐待した日本の軍人や監守は、戦後にB級戦犯として裁かれ、処刑された人もいる。一方、元POWたちは、好意的な日本の監守もいたと述べた。「ネルソンと捕虜が、あだ名をつけた監守や、47番と捕虜に呼ばれていた監守は、捕虜にこっそり食事を分けてくれた」と明かした。

日本側からの質問に「怒り、妬みから、やっと抜け出せた。難民をなくすため、国同士が協力しよう。若い人たちよ、世界市民として成長してほしい」と答えた。「日本国憲法の9条を知っているか」との問いに3人とも知っていると手を挙げた。「アメリカ人の元POWの多くは、平和憲法9条を知らないと言った。オーストラリアは素晴らしい」との声がもれて、拍手のうちに2時間半の交流会は終わった。(文=東京・青木公)


留学サイト、口コミ投稿キャンペーン実施

フィリピン・セブ留学の口コミ情報サイト「School With」は現在、業務拡大に伴い、オーストラリアやニュージーランドなどのオセアニアをはじめ、米国、英国、カナダなど欧米留学の口コミを募集している。投稿してくれた人の中から先着100人に、Amazonギフト券500円をプレゼントするという。詳細はウェブサイト(schoolwith.me/western)を参照のこと。



出倉氏の最新刊「Sake」、好評発売中

シドニーを拠点に活躍する料理研究家(日本料理式包丁シドニー四条真流文芸師範)、出倉秀男氏の最新刊「Sake」が好評発売中だ。本書は全編英語(一部日本語でも説明)で、日本各地の蔵元の紹介をはじめ、日本酒に合うおつまみや一品料理などのレシピも紹介。写真付きで日本酒について分かりやすく説明する本書は、日本酒初心者にもお薦めの一冊だ。

著者の出倉氏は1972年に来豪。複数の日本料理店を経営した後、料理研究家へと転身した。日本料理のデモンストレーションや講演、コンサルティングなどを行う傍ら日本料理に関する著作活動を行うなどシドニーを中心に40年以上にわたり日本料理文化の普及に尽力。日本食の普及・発展に尽力してきた長年に渡る功績が称えられ、昨年10月には外務大臣表彰を授与された。



■新刊紹介

「夢記1 近未来ニホンジンを物語る」

シドニー在住の作家、永淵閑の新刊「夢記1 近未来ニホンジンを物語る」が2015年11月13日に刊行された。本書は知玄舎より電子書籍として出版された「オテントサマの神話」シリーズ(同著)の第1〜12巻をまとめたもの。POD(プリント・オン・デマンド)での販売となる。

夜明けの夢の中から湧いてきたオテントサマに告げられた、不思議な神話。民族の誕生譚を物語るはずの神話が、本書では近未来ニホンジンの誕生譚を取り上げ、人格進化した近未来ニホンジンが主人公だ。著者は深層無意識の世界で、魂を、時空・生死・常識の囚われから解放し、物事の真髄を目指して旅しているという。

■「夢記1 近未来ニホンジンを物語る」
著者:永淵閑
出版社:知玄舎
価格:1,080円+税



NSW州立美術館・日本語ボランティア・ガイド便り
スコットランド国立美術館展~巨匠たち~

会場で最初に目にする「海からうまれてくるヴィーナス」は色使いの名人と言われるティツィアーノの約500年前の作品です。乳白色の肌にバラ色の頬の女性として生き生きと描かれている愛の女神ヴィーナスは、ギリシャ詩人ヘシオドによると後方に見えるホタテ貝に乗って岸へと運ばれました。実はこの作品、ヴィーナスの足の部分が痛んでいますが、巨匠の作品の修復に手を出す画家は誰1人としていません。

こうした「一見の価値あり」という作品ばかりを集めた今回の展示会は2月14日までの期間中、毎週水曜と土曜の午前11時より日本語ツアーを行っております。スクール・ホリデー中、お子さんとご一緒に名画鑑賞というのはいかがですか。グループでご来館の場合は事前予約にて、ご希望の日時にツアーを行うことも可能です。(投稿=コミュニティー・アンバサダー 萩原愛子)

■問い合わせ
Tel: (02)9225-1700(英語)
Email: communityambassadors@ag.nsw.gov.au(日本語可)

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