NSW州でアストラゼネカ・ワクチン、2人目の死者

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「豪は血栓症診断と治療で世界をリード」と主席医務官

 アストラゼネカ・ワクチンと血栓症の因果関係は先にヨーロッパで問題になり、オーストラリアでも認可がおりて接種が始まってから、50歳未満に多く「血小板減少症を伴う血栓症(TTS)」患者が出たため、オーストラリアの医療専門家パネルは、50歳未満にはファイザー、50歳以上にはアストラゼネカ」を推奨している。

 これまでに48人のTTS患者が出ており、うち40代の女性が1人死亡していたが、6月10日付ABC放送(電子版)が、NSW州で52歳の女性がアストラゼネカ・ワクチンと因果関係の疑われるTTSで死亡したことを伝えている。

 豪医薬品管理局(TGA)は、「女性は脳の血栓で死亡した」と発表しており、ポール・ケリー連邦主席医務官(CMO)は、「これまでに360万回のアストラゼネカ・ワクチン接種をしており、ワクチンと因果関係が疑われる血栓症患者はこれまでに48人、そのうち31人はすでに退院している」と語っている。

 TGAは、「女性は先週、脳の血栓で死亡しており、TTSの中でも非常に重篤な症状だった。女性の家族には心より哀悼の意を伝えたい」と発表しているが、女性の基礎疾患などについては明らかにしていない。

 ケリーCMOは、「ワクチンによる死亡は非常に残念なことだ。女性は2,3週間前に接種を受けていた。女性の家族や友人には心より哀悼の気持ちを伝えたい。同時に、このワクチンは国内全土で360万回接種しており、この女性は2人目の犠牲者だということも申し上げたい」と語っている。

 また、「TGAではワクチンとの因果関係が疑われる血栓症を非常に重度の症状と、比較的軽度の症状の2段階に分けている。この重度の症状を伴った症例は15人で、残りの33人は比較的軽度の症状だった。360万回中15症例というのは率としては非常に低い数字だ」と語っている。

 さらに、「この血栓症は新しい症候群であり、オーストラリアはこの血栓症の診断と治療で世界をリードしている。この女性の場合にはそれも力及ばず不幸な結果になった。しかし、医療界はこのような不幸なケースからも学び取り、すべての医療現場に伝えていくつもりだ」と語っている。
■ソース
Second woman dies from extremely rare blood clots likely linked to AstraZeneca COVID-19 vaccine

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