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シドニーのルーカス・ハイツ産業用原子炉で3人被曝

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核医薬品製造中に腐食性の化学物質がこぼれる

 3月1日、シドニー都心から40km南にあるルーカス・ハイツの産業用原子炉で核医薬品製造中に腐食性の化学物質がこぼれ、3人が被曝した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 ルーカス・ハイツの原子炉は医療用や産業用の放射性同位体元素を製造する施設で一般的な発電用の原子力発電所とは性格が異なる。

 オーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)広報担当者は、「核医薬品製造棟で配管のキャップが外れたため、男性2人、女性1人の職員が水酸化ナトリウム溶液を浴びた。事故の起きた棟は原子炉がある棟とは離れている」と発表した。

 一方、NSW州救急隊は、「溶液は3人の腕と顔にかかっており、応急処置を受けた後、サザーランド病院に運ばれてさらに診察を受けている」と発表した。

 水酸化ナトリウムは腐食性があり、皮膚につくと激しいやけどを引き起こすことがある。

 広報担当者は、「本日午前8時前、配管のキャップが外れたため、約250mlの水酸化ナトリウム溶液が飛び散った」と発表している。

 最近には何度か同種の事故が起きており、オーストラリア製造労働組合(AMW)のスティーブ・マーフィ書記長は、「ANSTOはオーストラリア国内でももっとも安全な職場でなければならない。ANSTOの職員は全国の核医薬品を生産しているのであり、その職員の健康が危険にさらされてはならない。ANSTOの職場風土についてかなりの数の苦情が届いており、AMWは、今回のような状況を防ぐために世に訴えてきた」と語っている。

 2017年には作業中の職員が放射性物質の入った容器を落とし、2層の手袋を通して放射性物質に汚染され、手にやけどを負っている。この事故は国際原子力事象評価尺度でも2017年中最悪の事象とされている。
■ソース
Three people treated at Sydney’s Lucas Heights nuclear facility after chemical spill

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