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NSW州警察官、脱衣身体検査の違法性認める

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フェスティバルで19回の脱衣検査で薬物発見1回

 NSW州のミュージック・フェスティバルで数人の違法薬物中毒死者が出たことと関連し、フェスティバル会場で薬物検査の警察官が入場者に違法な脱衣身体検査を行っていたことが調査委員会での証言で次第に明らかになっている。問題の警察官は脱衣身体検査の法的要求条件を満たしていないことを知りつつ違法行為を繰り返していた疑いが出ている。

 ABC放送(電子版)が伝えている。

 2018年7月のロック・フェスティバル「Splendour in the Grass」において、この巡査長は19回の脱衣身体検査を行ったが、その結果、見つかったのは処方薬に指定されている鎮静剤のバリウム錠剤1つだけだった。

 フェスティバルではこの警察官が16歳の少女に脱衣身体検査を強制しており、屈辱のため、泣きながら身体検査を受けた少女はその足で会場内の法律相談に訴えている。司法職員の行為を審査するLaw Enforcement Conduct Commission (LECC)がミュージック・フェスティバルでの警察官の違法な身体検査を調査している中で様々な違法行為が明らかになっている。

 この警察官は14年勤続で、コミッションの審理で証言台に立ち、「警察官は捜査権の一般的知識で捜査した。フェスティバルの朝に15分間の訓示があるが、捜査の際の警察官の義務については何の説明もなかった。麻薬犬が薬物をかぎつけた挙動をしたため、薬物所持を疑う十分な理由があったと判断した」と証言している。

 しかし、法律は、「緊急性」を条件にしており、また、10歳から18歳までの未成年の脱衣身体検査には未成年者が指定する保護者など成人の立ち会いがなければならないとしている。10歳未満の児童の脱衣身体検査は禁じられている。

 チーフ・コミッショナーのマイケル・アダムズQCが、「しかし、当時、緊急性はなかったのではないか?」と質問すると、警察官は、「なかった」と答えている。アダムズQCが、「では、その脱衣身体検査は合法ではなかったということになるが、同意するか?」と尋ねると、警察官は、「する」と答えている。

 その事件後、2回にわたり警察官の特別訓練があり、そこで警察官になって初めて身体検査時の警察官の義務について説明があったと答えている。

 被害者の少女は、「脱衣身体検査で屈辱的な気持ちだったし、誰の付き添いもなかった」と証言している。また、脱衣身体検査で違法薬物を所持していたのは10%に満たなかったと証言されている。

 また、ミュージック・フェスティバルでの薬物中毒死を審理していたNSW州検視法廷は、麻薬犬、警察官の検問の廃止と薬物取り締まりのない任意ピル・テスト・サービスの設立を勧告したが、グラディス・ベレジクリアン保守連合州政権はこれを拒否した。
■ソース
NSW Police officer tells inquiry Splendour in the Grass strip searches were ‘unlawful’

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