インフルエンザなどの感染症発生率が激減
コロナウイルス蔓延予防のロックダウンや社会的規制でコロナウイルスだけでなく、他の感染症までが影を潜めていることが伝えられている。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
ただし、今後、ロックダウンが緩められ、規制が解除されて行くにつれてこれまで影を潜めていた感染症が勢いを盛り返してくる可能性があり、専門家は、今後も当分は社会規制を守るよう呼びかけている。
インフルエンザの場合、流行期初めに感染者が増えそうな気配があったがそれっきり低く平坦に推移しており、QLD州のジャネット・ヤング主席医務官は、「2020年にはインフルエンザよりコロナウイルスの患者の方が増えそうだ。呼吸器系の症状が出たら、他の病気よりまずコロナウイルスに感染したと考えた方がいい」と語っている。
ロックダウンで影を潜めている感染症には普通のカゼやインフルエンザだけでなく、EV-D68というウイルスがある。このウイルスはエンテロウイルスD68とも呼ばれ、子供や若年者に喘息や気管支炎など深刻な呼吸器系疾患を引き起こすだけでなく、急性弛緩性マヒ(AFM)と呼ばれるポリオに似た症状も引き起こすことが知られている。
オーストラリアではこれまで大量に発生したことはないが、QLD大学のイアン・マッケイ・ウイルス学教授は、この2,3年、EV-D68患者は増えているが、他のエンテロウイルスとは挙動が少し違っており、呼吸器系ウイルスと似ている。そのEV-D68が今年はばったりと現れなくなった。それもそのはずで、このウイルスはコロナウイルスと似て、くしゃみや咳で空気中に飛び散ることで他のヒトに感染する。しかし、社会規制が敷かれたおかげで感染できなくなり、姿を消したと言うことだ」と語っている。
その他には、「昨年末にアジア太平洋地域で流行し、オーストラリア、ニュージーランドにも現れたはしかが今年は患者ゼロになっている。実際にはしかは新型コロナウイルスより感染力が強いのだが」とも語っている。
■ソース
The other diseases the coronavirus lockdown stopped in their tracks