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オーストラリア家電チェーン最大手「JBハイファイ」 決算絶好調も先行きに暗雲

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販売鈍化嫌気し、株価5%超下落

激しいインフレと利上げは、ハイテク製品などの非生活必需品の販売に影響を及ぼすのだろうか?

 オーストラリアではインフレと利上げで生活コストが上昇していることから、消費者が財布の紐を引き締めるとの懸念が広がっている。オーストラリア最大の家電小売チェーン「ジェイビーハイファイ」(JB Hi-Fi)が13日発表した半期決算は、コロナ禍からの経済再開を反映して増収、増益となった。ところが、直近の売上減速を示唆したコメントが嫌気され、株価は13日、5%以上下落した。

売上高、利益ともに過去最高

 JBハイファイの2022/23年度上期(22年7月〜12月)の売上高は、グループ全体で52億7,850万豪ドル(約4,820億円)と前年同期比8.6%増加した。利子・税引き前利益(EBIT)は4億7,020万豪ドルと14.5%増、純利益は3億2,990万豪ドルと14.6%増となり、売上高、利益ともに過去最高を記録した。企業の稼ぐ力を示す1株当たり利益(希薄化EPS)は300.6豪セントと20.4%増えた。

 同社は、主に情報家電やオーディオ・ビジュアル機器、映像ソフトなどを扱う「JBハイファイ」をオーストラリアで199店舗、ニュージーランド(NZ)で14店舗、冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどの白物家電も売る大型店「ザ・グッド・ガイズ」をオーストラリアで106店舗展開(店舗数は22年6月時点)。オンライン販売や企業向け販売も手がけている。

 部門別の売上高は、オーストラリアのJBハイファイが35億8,880万豪ドル(前期比8.2%増)、NZのJBハイファイが1億4,570万豪ドル(10.5%増)、ザ・グッド・ガイズが15億4,400万豪ドル(7.3%増)だった。

 また、同社は前年同期と比べて20.9%多い1株当たり197豪セントの中間配当を行うと発表した。

コロナ前より高水準だが足元の伸びは鈍化

 同社のテリー・スマート最高経営責任者(CEO)は投資家向けの声明で「コロナ禍による2年間の混乱の後、経営状態は正常化し始めており、過去最高の売上高と利益を記録したことを嬉しく思う」と述べた。

 23年1月の売上高は、オーストラリアのJBハイファイが前年同月比2.5%増、NZのJBハイファイが20.0%増、ザ・グッド・ガイズが0.0%増と22年1月と同水準だった。

 スマートCEOは1月の販売動向について「コロナ前の20年1月を大幅に上回っていることには満足しているが、22/23年度上期の高水準と比べると売上(の伸び)が緩やかになってきている」と語り、販売が減速しつつあることを示唆した。

 同CEOのコメントについて、市場参加者は個人消費の鈍化を示したものと受け止めた。13日のオーストラリア証券取引所(ASX)で同社株は1株当たり44.06豪ドルと、前日終値比2.56豪ドル(5.49%)下落して取引を終了している。

■ソース
JB HiFi Limited Half Year 2023 Results, Company Announcement, 13 February 2023(ジェイビーハイファイ・リミテッド投資家向け発表)
Half-year financial report for the half-year ended 31 December 2022, JB Hi-Fi Limited(ジェイビーハイファイ・リミテッド2022年度上期決算報告書)
ASX LAST PRICE, JB HI-FI LIMITED, JBH(オーストラリア証券取引所)

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