気象庁「太平洋はラ・ニーニャの時期に入った」

大陸北東部は多雨気象条件で洪水多発も

 9月29日、気象庁(BoM)は、太平洋がラ・ニーニャ現象の時期に入ったと宣言、大陸北部、東部は春から夏にかけて多雨が続くと発表した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 太平洋の赤道の東西で海水温度の変化に応じて、エル・ニーニョと呼ばれる現象(ENSO)、それとは逆転するラ・ニーニャという現象が交互する。エル・ニーニョの時期には大陸東部は乾燥の気象が続き、ラ・ニーニョでは逆に大陸北部の水温が上がり、それに伴って水蒸気も増えるため、大陸東部、北部で多雨の気象が続く。ただし、南東部まで多雨気象が及ぶことはまずない。

 そのため、年末から2021年初めの夏には洪水や発達した熱帯性低気圧のサイクロンの多発も予想される。逆にブッシュファイアの危険は2019年末から2020年初めにかけてのような甚大な被害は起きないと予想される。

 BoMのアンドルー・ワトキンズ気候活動部長は、「その湿度のため、雲も増え、大気も水分が増えるため、日中の気温は下がり気味になる。逆に夜間は雲のために地表の熱が大気上空に逃げないため、やや暖かい夜が続く」と語っている。

 前回のラ・ニーニャは2010/11年と2011/12年と2年連続しており、2011年初めにはQLD州南東部で大規模な洪水になり、特にロッキヤー・バレーはトゥーンバ山脈の水が氾濫したほか、ブリスベンも上流のダムの放流も加わって1974年以来最悪の洪水に見舞われている。

 ただし、ワトキンズ博士は、「今年のラ・ニーニャは2010/11年の時ほど強くないこと、また、2010年にはラ・ニーニャがもっと早くから始まり、7月中旬からはかなりの激しさになっていた。実際、2010/11年のラ・ニーニャは観測史上4つの強いラ・ニーニャの一つに数えられる」と語っている。

 また、「この多雨でブッシュファイアのリスクが低くなることを希望しているが、大陸南部の夏はラ・ニーニャの時期にも高温乾燥が続くし、どんな時でもブッシュファイアが起きる。それでも、昨年ほどにはならないよう願っている」と語っている。
■ソース
BOM declares a La Nina, signalling wet spring and summer likely for northern, eastern Australia

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