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ワーホリのオーストラリア「出稼ぎ」 時給2,500円でも甘くない現実

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人手不足が解消され、英語力とスキルが問われる

 オーストラリアの全国統一の最低賃金(成人)が7月1日から時給24.10豪ドル(約2,514円)に引き上げられる。日本で働くより多く稼げるため、コロナ禍からの経済再開直後、一部の若者の間で「オーストラリアに出稼ぎに行こう」という機運が高まったが、現実は甘くないようだ。

 ワーキング・ホリデー旅行者(ワーホリ)を雇用しているシドニーの日本食レストラン経営者は「コロナ禍で外国人の若者が皆本国に帰ってしまっていたため、ロックダウン(都市封鎖)解除直後の一時期、レストラン業などのサービス産業では人手不足が深刻だった。誰でもいいからとにかく人が欲しかったが、高い時給を提示しても人材を確保できず苦労した」と当時を振り返る。

 だが、国境が再開され、世界中から大勢のワーホリや留学生が再び流入してくると、状況は一変した。経営者は「今は、英語力が高くスキルや経験も豊富な外国人の人材がいくらでもいる。英語が話せないので注文も取れず、飲食業のバイト経験もないような、日本人のワーホリは使い物にならない」と話す。

 当時はワーホリが「1年でこれだけ稼いだ」などと自慢する投稿がソーシャル・メディアで拡散され、注目を集めた。だが、今はいくら履歴書を送っても仕事が見つからず、資金が尽きて日本に帰ってしまうワーホリも少なくないという。

 ワーホリ・ビザの延長が可能になるため人気が高い果物の収穫などの仕事にも、異変が起きている。業界に詳しい専門家によると、国境再開直後は日本人ワーホリの需要も高かったが、現在では他国のワーホリや南太平洋諸国の出稼ぎ者が増え、労働需給のバランスが緩んでいる。

 専門家は「農場では、どうしても体格が大きく、体力があり、英語も話せる外国人が有利。日本人が仕事をなかなか得ることができないケースも増えている」と話している。





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