2020年、オーストラリア国民の平均余命伸びる

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コロナウイルス・ロックダウンでとんだケガの功名

 1月18日付ABC放送(電子版)は、2020年にオーストラリア国民の平均余命が伸びたと報道している。

 オーストラリア国立大学(ANU)の研究者の調査で、2020年3月のパンデミック宣言以来年末までにすべての年齢の平均余命平均値が半年伸びていたことが明らかになった。

 研究者は、「人々の平均余命が伸びたのは、ロックダウンで一般的な感染症や交通事故死が激減したことが挙げられる」としているが、メルボルン大学のティム・ドリスコル氏は、「平均余命は必ずしもクオリティ・オブ・ライフを示すものではない」と語っている。

 ANUの研究チームは、2021年にオクスフォード大学がまとめた研究を基礎にしてオーストラリアのデータを加え、パンデミック宣言前と後の相対的な平均余命をいくつもの国を対象に比較している。

 その調査はInternational Journal of Epidemiologyに掲載されており、2019年から2020年までの間の平均余命が男女平均して0.7年伸びていた。研究者は、この伸びはオーストラリアでは1990年代以来最大の伸びだと述べている。

 オーストラリアのこの平均余命の伸びは世界的にも上位にあり、オーストラリアに次いでデンマークとノルウェーがそれぞれ女性が0.1年、男性が0.2年伸びている。

 逆にアメリカは、この期間に国民の平均余命が縮んでおり、女性が1.7年、男性が2.2年平均余命を下げている。

 2020年初めにはブラック・サマー・ブッシュファイアがあり、コロナウイルス・パンデミックが始まったが、その後直ちに国境を閉鎖し、各地がロックダウン状況に入っている。

 そのため、2020年には一般的な感染症患者発生が激減し、肺炎とインフルエンザの死者が20%減っていた。また、規制とロックダウンで自宅から出ることが減ったため、交通事故死も激減しており、この研究の共著者、ウラジミール・カヌダス=ロモ教授は、「1918年のスペイン風邪の際にも国境を閉鎖しようとする動きがあったが、ひとたび港を開くと、当時、ワクチンがなかったため、ウイルスは致命的な勢いで広がった。現代ではワクチンもあるため、オーストラリアはこの惨事を逃れることができた」と語っている。

 さらにカヌダス=ロモ教授は、「その他にもガンや循環器系疾患による死亡者減少が大きく、死亡率低下の大部分を占めている」と語っている。
■ソース
Australia’s collective life expectancy rose in 2020, and researchers say we have COVID-19 lockdowns to thank

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