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カンタス航空、来年前半に黒字転換へ

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コロナ禍後の旅行需要拡大で業績好調

Photo: Qantas Airways

 オーストラリアの航空最大手、カンタス航空は13日、2023年上半期の収支が黒字に転換するとの見通しを発表した。黒字幅は「税引き前基礎的収支」(営業利益に相当)ベースで12億〜13億ドルと見込んでいる。

 カンタスは新型コロナウイルスの感染拡大による旅行需要の冷え込みを背景に、5半期連続で赤字を経常。コロナ禍以降の累積赤字は70億豪ドルに達した。しかし、足元ではコロナ禍で冷え込んだ旅行需要が国内線を中心に急速に回復。現時点の予約状況や燃料価格、座席供給能力の拡大の見通しなどから、黒字化の目処が付いたとしている。

 カンタスは声明で「高い燃料価格やインフレ、利上げによる消費者心理への影響などにより、運航をめぐる状況は依然厳しい。しかし、力強い需要は消費者が旅行への支出を優先していることを示しており、燃料コストを航空運賃に転嫁することが可能となっている」と指摘した。

座席供給力、運航実績ともに改善

 グループ全体の座席供給能力(有償座席利用率=ASK)は、国内線で23年上期にコロナ禍前の94%、同年下期に100%までそれぞれ回復する見通しだという。

 国際線では、同年上期に61%、同年下期に77%まで回復するとしている。運休中のエアバス380を整備して復帰させるほか、新たにボーイング787-9ドリームライナー3機を導入するなど供給能力を拡大する。

 また、コロナ禍の乗員不足や供給制約によって悪化していた運航実績の主な指標も、改善しているという。直近10月1〜10日の定時離陸率(OTP)は75%と9月の69%から改善した。コロナ禍前は80%だった。欠航率は、今年6月時点で7.5%まで上昇していたが、10月1〜10日に1.7%まで低下し、コロナ禍前(2.4%)の水準を下回った。

 預け入れ手荷物の誤配や積み残しの問題も改善しているという。手荷物の紛失率は、今年6月に1,000個当たり平均12個まで悪化したが、10月1〜10日には6個と半減し、コロナ禍前の5個の水準に近づいているという。

 黒字化見通しの発表を受けて、オーストラリア証券取引所(ASX)のカンタス航空の株価は13日、前日比で一時、約12%高と急上昇。終値は8.7%高の5.62豪ドルだった。

■ソース
QANTAS GROUP MARKET UPDATE: STRONG DEMAND ACCELERATES RECOVERY(カンタス航空メディア・リリース)

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