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オーストラリアのインフレ減速で金利はどうなる? 市場コンセンサスは「4月据え置き」だが…

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「インフレはまだ十分に強すぎる」 11回連続利上げの予測も

 オーストラリアの2月の消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比6.8%と2カ月連続で減速したことを受け、市場では豪準備銀(RBA)が4月4日の次回会合で政策金利を3.60%で据え置くとの見方が強まっている。その一方で、インフレは依然として高水準にあるため、RBAはあと2回、追加利上げを行うとの観測も出ている。

 市場参加者の大半は、据え置きを織り込んでいる。オーストラリア証券取引所(ASX)の金利先物価格から市場のコンセンサスを示す「RBA金利指標」によると、CPI統計発表後の29日取引終了時点で「RBAが4月に金利を3.6%で据え置く」確率は98%に達した。

 また、オーストラリアの金融大手AMPの上級エコノミスト、ダイアナ・ムシナ氏は29日、公共放送ABC(電子版)に「利上げの可能性もわずかに残っている」と断った上で、「RBAは大方、金利を据え置くだろう。今回の局面で再利上げはもうないと考えている」と語り、利上げは現在の3.6%で打ち止めになるとの見方を示した。ムシナ氏によると、年末までに利下げもあり得るという。

「平均的な世帯が、残高60万豪ドルの住宅ローンを現在の利率で払い続けることができるとは思えない。経済にとって政策金利の適温は2.5〜3.0%程度だろう。RBAは今年年末と来年初頭に政策金利を0.25ポイントずつ引き下げ、3.1%くらいまで持っていくのではないか」(ムシナ氏)

 一方、ANZ銀で上級エコノミストを務めるキャサリン・バーチ氏はABCに「2月のCPI上昇率が6.8%となり、最も高かった12月から大幅に減速したことは、インフレのピークアウトを確認するものだ」と指摘した。

 その上でバーチ氏は「とは言っても、前月比の季節調整値0.6%を年率換算すると7%以上となり、インフレはまだ十分に強すぎる」と予測。RBAは4月と5月に0.25ポイントずつ利上げし、4.1%で打ち止めするとの見通しを示した。

■ソース
ANZ predicts RBA will raise rates by 0.25 percentage points in April and May(ABC News)

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