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血で血を洗う復讐の連鎖が止まらない! シドニーのマフィア抗争、2年10カ月で死者20人目

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「周到に計画された『処刑』だ」と州警察幹部 ボンダイ・ジャンクション射殺事件

 オーストラリア・シドニー東郊のボンダイ・ジャンクションで27日、ドラッグ密売の犯罪組織の首領が射殺された事件。一見平和に見える街の裏側では、映画『ゴッドファーザー』や日本のヤクザ映画顔負けの、血で血を洗う抗争劇が繰り広げられている。

 28日付の公共放送ABC(電子版)によると、シドニーで2年10カ月にわたり連続発生している一連のマフィア抗争事件の死者は、今回で20人目となった。

 シドニー周辺では、2輪車を乗り回すマフィア「バイキー」の一派である非合法組織「コマンチェロ」の元構成員が2020年8月に射殺されて以来、シドニーではマフィア同士の抗争と見られる射殺事件が相次いでいる。組織と直接関係のある人物だけではなく、その家族の女性やたまたま同席していた一般人女性も巻き添えになっている。マフィアの不文律で従来、狙われることがなかった女性も犠牲になっていることから、警察は組織が凶悪化している可能性もあると見て警戒している。

 ニューサウスウェールズ州警察は、現時点で射殺された男性の氏名を正式に公開していない。だが、同警察の殺人事件捜査部門を率いるダニー・ドハティー警視は、死亡したボンダイ・ジャンクション在住の男性(48)がコマンチェロと関係の深い犯罪組織の首脳だと断言した。

 ドハティー警視は会見で「これは、犯罪組織の首脳クラスによって周到に計画された『処刑』だ。(被害者は)コマンチェロと強い、高いレベルのつながりがあった。犯罪ネットワークの中で高い地位にあり、攻撃の対象として狙われている組織の中心人物だった」と語った。

 ABCなどの地元メディアは、射殺された男性について、コカインの密輸・密売などで禁錮16年9カ月の実刑判決を受けて服役、仮釈放されていたアレン・モラディアン受刑囚だと報じている。同受刑囚は現場のマンション最上階で暮らしていたと見られる。地下駐車場に停めていた車の運転席で、少なくとも2人のヒットマンに至近距離から数発撃たれ、即死したもようだ。

 州警察は、燃やされた状態で、現場近くの路上で発見されたポルシェのスポーツ多目的車(SUV)から拳銃などを押収した。ポルシェは実行犯が乗り捨てた可能性がある。残された証拠品を調べるとともに、付近の防犯カメラ映像を解析。事件の全容解明を進めている。

■ソース
Firearm found at Bondi Junction crime scene linked to drug kingpin Alen Moradian shooting(ABC News)





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