サブクラス457ビザに関する最新情報

税務&会計Review

税務&会計 REVIEW

アーンスト・アンド・ヤング
グローバル・イミグレーション・マネージャー 
トニー・ミン

著者プロフィル◎オーストラリア移住手続認定代行業者及びニュージーランド政府公認移民アドバイザー。昨年10月からEYにて日系企業を含むグローバル企業にビザに関するサービスを提供。NSW州のJustice of Peace。

サブクラス457ビザに関する最新情報

企業やその他の組織(以下、事業体)がオーストラリアに外国籍の従業員を就業のために呼び寄せようとする場合、その事業体はビジネス・スポンサーとしてオーストラリア移民局(Department of Immigration and Border Protection、DIBP)に登録することが義務付けられています。今月号では、日本人駐在員の多くに関係のあるサブクラス457ビザ「長期就労(技術)ビザ、(Temporary Work (Skilled) visa)」に関する最新情報をお知らせします。

事業体が合法的に事業活動を行っている、信頼を得ている事業である、スポンサーシップの義務を履行できる財務能力がある、特定の従業員研修要件を満たしているなど、スポンサーとなるためには数々の前提条件があります。さらに、事業体は熟練労働者をスポンサーすることでもたらされるオーストラリアへの利点を示す必要があります。

事業体がビジネス・スポンサーとして認可されれば、オーストラリアで就業するために来豪する従業員は通常サブクラス457ビザを保有することになります。このビザでは、最長4年間(もしくはオーストラリアで新規設立された事業の場合は18カ月)にわたり滞在できます。

この期間を超えて滞在する必要がある場合、全ての法的基準を満たせばサブクラス457ビザを再申請することが可能です。サブクラス457ビザ保有者は、申請して許可された役職以外で就労することはできず、移民局の事前の承認なしにはオーストラリア国内で雇用主を変更することはできません。執筆時(2016年3月初旬)においての主な改正点は以下の通りです。

1.業界平均賃金証明の免除

スポンサーは、ビザ申請者へ提示する年収が25万ドル以上の場合、業界平均賃金証明の提出が免除されます。この額は、一時期18万ドルに下がりましたが、15年6月16日には25万ドルに戻りました。

上記の年収に満たない場合は、業界平均賃金証明の提出が義務付けらています。一般的に、同じ会社の同等の職務に就いている現地採用の従業員の賃金証明は十分な証拠となります。また、報酬調査やその他の業界平均賃金データ、求人広告なども証明の1つとなります。

2.健康診断受診に関する新規定

通常、サブクラス457ビザ申請者の場合は、日本国民であれば健康診断は不要です。ただし6カ月以上の滞在の場合で以下のいずれかの条件に該当する申請者に関しては、健康診断が求められます。

・オーストラリアのチャイルド・ケア(プレスクールや託児所を含む)で就労あるいは研修予定

・医師・歯科医師・看護師・救急医療隊員として就労(あるいは勉強)予定

・妊娠中でオーストラリア国内で出産予定

永住権申請者の健康診断の内容は、申請者の年齢及び国民によって異なります。

3.労働市場テストの免除(Labour Market Testing)

日豪経済連携協定(JAEPA)は15年1月15日に発効となりました。この協定に伴い移民法が改正され、労働市場テストは日本国民または日系企業の日本在住の外国人従業員でサブクラス457ビザを利用しオーストラリアの子会社や支店、駐在員事務所などに転勤する場合は労働市場テストが免除されます。

4.スポンサーシップ有効期限

15年4月18日より、以下のサブクラス457ビザのスポンサーシップの有効期限が延長されました。

・新規設立会社(オーストラリア国内での運営実績が12カ月未満):18カ月間

・その他の一般的なスポンサーシップ:5年間

認定されたスポンサー(accredited sponsor)のスポンサーシップ有効期限は、6年間で変更はありません。

5.申請内容に変更が生じた場合の通知期間延長

スポンサーは、申請承認時の内容に変更が生じた場合、移民局にその内容を通知する義務がありますが、15年4月18日よりその通知期間が10日以内から28日以内に延長されました。移民局に通知する義務が発生する変更内容は、以下の事象を含みます。

・ビザ保持者の雇用が終了、あるいは終了予定の場合

・ビザ保持者の職務が変更する場合

・スポンサーの所在地・連絡先詳細の変更

・スポンサー企業が破産法(Bankruptcy Act 1966)および会社法(the Corporations Act 2001)において、破産(支払い不能)とみなされた場合

・スポンサーが法的単体で無くなった場合

・新しい取締役が就任する場合

・事業体がパートナーシップで、新たなパートナーが加わる場合

6.英語力要件

15年4月18日より、英語力要件に関して新規定が採用されました。ビザ申請者に提示される給与額が96,400ドル未満の場合、下表の英語力テストを受験し必要最低点に達していること、または、中高等教育以上の教育機関などで最低でも5年間、英語によるフルタイムの授業を受けていることが必要です。

英語力試験の種類 必要最低点 必要最低点-各項目
Listening Reading Speaking Writing
IELTS Overall band score 5.0 4.5 4.5 4.5 4.5
OET - B B B B
TOEFL iBT Total band score 36 3 3 12 12
PTE Overall band score 36 30 30 30 30
CAE Overall band score 154 147 147 147 147

7.ライセンスや登録要件など

15年12月1日以降に医師、教師、技術者など特定の職種でサブクラス457を発給された従業員には以下の内容が義務付けられています。

・必要なライセンス、資格および会員登録をオーストラリア入国後90日以内、あるいはビザ発給時にオーストラリア国内にいた場合はビザ発給後90日以内に取得

・必要なライセンス、資格および会員登録をしない限り就労開始ができない

・必要なライセンス、資格および会員登録が拒否された場合は、できる限り早く移民局に書面で通知

・ライセンス、資格および会員登録に必要な条件や基準に準拠する

・ライセンス、資格および会員登録とかけ離れた職務に就いてはいけない

・ライセンス、資格および会員登録が停止または取り消し、中止となった場合は可能な限り早く移民局に書面で通知

上記改正点は、既存のビザ保持者は対象となりません。

8.申請料金の値上げ

15年7月1日以降の雇用主スポンサー・ビザ申請料金は2.3%値上がりしました。

サブクラス457 雇用主指名の永住ビザ
申請者 A$1,060 A$3,600
18歳以上の扶養家族 A$1,060 A$1,800
18歳以下の扶養家族 A$265 A$900

最後に

移民局は、積極的に監視およびコンプライアンスを行うためのプログラムを導入しています。スポンサーシップの義務を履行しなかった場合、罰則が科され、ビジネス・スポンサーの地位及びサブクラス457ビザが取り消されることもありますので、スポンサーとしての義務をよく理解し法令順守の徹底が重要です。

ジャパン・ビジネス・サービス・ウェブサイト
www.ey.com/AU/en/JapanBusinessServices

※この記事は出版時の時点で適用される一般的な情報を掲載しており、アドバイスを目的としたものではありません。この情報を基に行動をされる際には、専門家のアドバイスを受けることをお勧めいたします。

コンタクト:

篠崎純也(シドニー)
Tel: (02)9248-5739
Email: junya.shinozaki@au.ey.com

 

トニー・ミン(シドニー/メルボルン)
Tel: (02)8295-6508
Email: tony.min@au.ey.com

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