「観光は経済にプラス、生活にはマイナス」

国連世界観光機関の各国国民意識調査

 国際連合の世界観光機関(UNWTO)の各国国民の観光意識調査が発表され、オーストラリアでは、回答者の半数が「観光は経済にプラスになり、雇用を創出しているが、都市部の混雑や物価高の原因になっている」と考えていることが明らかになった。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 45%の回答者が、観光産業で都市部の住宅不動産価格を押し上げていると考えており、また25%が交通機関の料金を押し上げていると考えていることが分かった。

 また、オーストラリア国民の68%が「都市部の観光客が多すぎる」と考えており、これもフランスでは約30%、アメリカでは38%、イギリスでは44%、スペインで59%となっている。ただし、2017年の世界各都市の観光客数はシドニーが1,480万人、パリが4,000万人、ロンドン、ニューヨーク、ロサンジェルス、バルセロナなどもいずれもシドニーの2倍以上の観光客が訪れている。

 UNWTOは2018年の世界の観光客数は14億人。世界のGDPの10%、総雇用の10%が観光産業で占めていると推定している。

 この意識調査は15か国、12万人を対象にして行われたもので、オーストラリアでは1,000人が回答している。

 この調査を実施したイプソス社によると、どの国でも多かれ少なかれ、都市部の混雑、観光の経済的恩恵の偏り、環境に対する影響などを懸念する傾向があるとしている。

 また、都市観光産業の管理を強化すべきと考えている国民の率はオーストラリアでは50%弱だが、アルゼンチン、スペイン、韓国ではオーストラリアより多くの人が「観光産業管理強化」を求めている。一方、ドイツ、日本ではその意見も24%に留まっている。

 観光全体に対する意識で見ると、オーストラリアがもっとも肯定的で72%が、「観光は富と収入、雇用、新しいレジャー活動を生み出している」と考えている。また、アルゼンチン、スエーデンも肯定的だが、ベルギー、フランス、ドイツ、日本、アメリカでは肯定的な見方は50%を下回り、もっとも否定的だったのは韓国だった。

 サイモン・バーミンガム連邦貿易観光投資担当大臣によると、「観光産業の事業所は30万にのぼり、13人に1人が直接観光産業で働いているが、間接的に観光産業と取引する事業所まで加えると百万を超える」としている。
■ソース
Tourism generates jobs but leads to congestion and higher prices: survey

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