民間部門の賃金上昇率最低水準

統計局のデータで1998年以来

 オーストラリア統計局(ABS)が発表したデータによると、2015年第3四半期の季節調整後の民間部門労働者賃金上昇率が0.5%、年率2.1%となっており、ABSが1998年に賃金物価指数調査を始めて以来最低の水準になった。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 政府部門の賃金上昇率はわずかに大きく年間2.7%となっている。また、総合した場合、賃金年上昇率は2.3%にとどまっており、これも最低水準となっている。職種別に見ると、ホスピタリティ部門で四半期1.6%と最大、一方、金融・保険が0.2%と最低になっている。

 シェーン・オリバーAMPキャピタル・ストラテジストは、「鉱業ブームが去った後の調整期間になっており、かつ経済も需要減ということがある。しかし、賃金上昇率低下が雇用の維持につながっており、経済成長率の低下にもかかわらず、雇用が伸びていることとの説明になっているのではないか。また、労働市場からくるインフレ圧力も抑えられているのではないか」と分析している。

 部門別では、鉱業の賃金上昇率が四半期で0.4%と最盛期の1%をかなり下回っている。また、建設が年1.7%とこれも住宅建設が好調な割には伸びなかった。

 また、UBSエコノミストのスコット・ハスレム氏は、「全部門、産業、州で低調であり、賃金上昇率低下が世帯の収入伸び悩みにつながり、消費の弱さも続くことになる」と分析している。

 シドニー大学のジョン・ブキャナン教授は、「賃金上昇率の停滞は労組の力が弱まったこと、経済が鈍化していること、失業率がじわじわと上昇してきたことなどいくつもの要因があるが、何よりも不完全雇用が目立ってきていることが挙げられる。この状況は当分続くのではないか」と分析している。
■ソース
Private sector wage growth the lowest on record

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