シドニー首都圏東郊でも家庭内暴力

暴力に加えて「力と支配」の傾向

 シドニー東郊といえば海の見える住宅と裕福な家庭というイメージがあるが、同時に家庭内暴力も頻発しており、毎日女性8人が被害者になっている。

 3月14日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

NSW州で家庭内暴力の被害を減らすため、一部の地区で実施されている「セーファー・パスウェイズ」制度試験実施による統計数字をサン・ヘラルド紙が入手、報道している。この中で、2014年9月から2015年2月までに警察がウエバリー地裁の同制度に送った家庭内暴力被害女性は1,205人にのぼっており、地裁に書類が送られてくる女性は毎日平均8人が深刻な暴力を受ける可能性があり、うち2人は殺害の現実的危険があるとされている。

 この制度を担当している「家庭内暴力裁判女性援護サービス(WDVCAS)のヘレン・ブレレトン理事長は、「このように狭い地域でこれほどの数字が現れて衝撃的だ。しかも、そのほとんどの家庭には子供がいる。家庭内暴力を見て育った子供の影響が心配だ」と語っている。

 裁判所に送られた事案は、警察や家庭内暴力担当員その他の会議にかけられ、被害女性が官庁をたらい回しにされることを防いでいる。パートナーから首を絞められた女性は、届け出から4時間後には住宅の錠前を交換し、転居費用を州政府に申請する手続きが始められ、8日後には新しい住宅の契約が済み、パートナーに対するAVOが発行された。WDVCASのスーザン・スミス弁護士は「家庭内暴力は裕福な東郊地域でも例外ではない。家庭内暴力は力と支配で女性を抑え付けることが多く、必ずしも肉体的暴力とは限らない。特に東郊住宅地では直接の暴力よりも力と支配が当てはまる。家族の世話をするのに必要な金を与えず、被害女性を友人に合わせないようにし、被害者をおとしめる言語暴力を加える。また、夫が子供の学費まで払い、女性の経済的権限を取り上げることで女性をがんじがらめにし、出て行けないようにするなど陰湿に抑え付けている」と分析している。

 ただし、制度の主催者は、「政府にはこの制度を州全体に広げる努力も十分な資金を提供する意思も感じられない」と警告している。試験実施はウエバリーの他、オレンジでも行われており、2014年9月から2015年2月までの期間に694人の女性が暴力を加えられる危険があるとして登録され、そのうち3分の1が殺される危険もあるとされている。
■ソース
New action team exposes shocking eastern suburbs domestic violence rate

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