インターネット・スピード、世界第44位

保守連合のNBN低速化政策が影響

 労働党政権下で始められた全国ブロードバンド・ネットワーク(NBN)は、政府所有のNBN社が実質的に国庫の資金で全国に光ファイバー・ケーブルの敷設を進めている。労働党時代には住宅・事業所の入り口まで光ファイバーを敷設する計画だったが、保守連合政権になって予算を削るため、光ファイバーは街路に設置された集合的な接続点のノードまでとし、そこから個別住宅、事業所へは従来のテルストラ社の銅線電話線を使うことになった。ただし、テルストラ社の銅線電話回線は老朽化が激しく、ゆくゆくは全面的に光ファイバーへの移行も必至と言われている。

 アメリカのクラウド・サービス企業、アカマイの調査報告では、インターネット・スピードに関して、オーストラリアは先進国先頭グループからはるか後方の第44位という結果が出ている。上位10位は、韓国、香港、日本、スイス、スエーデン、オランダ、アイルランド、ラトビア、チェコ共和国、シンガポールとなっている。

 メルボルンのRMIT大学のネットワーク工学専門家、マーク・グレゴリー博士は、「アカマイ報告は信頼性がある。オーストラリアは最近3位くらい下がっている。そんなに速く順位が落ちるのは他の国々がネットワークの新設や改良に努力しているからで、全面的に光ファイバーに切り替えている国も多い。特に銅線回線がネックになってスピードを落としている。住宅・事業所の入り口までとの当初の計画を現政権がノードまでに変更し、そこからユーザーまでは老朽化した既成の銅線回線を使っていることが大きな原因だ。しかも、方針が変わる度にNBNの光ファイバー敷設が大きく遅れがちになることも原因している」と分析している。

 かつてはオーストラリアよりはるかに遅れていると思われていたニュージーランドでさえ、住宅・事業所入り口まで光ファイバーを使うFTTP方式を維持しており、オーストラリアより速くなっている。グレゴリー博士は、「オーストラリアは面積が大きいということが言われるが、人口が都市に集中している国であり、FTTP方式でも十分に採算が取れるはずだ。光ファイバー・システムを敷設してもコストは他の国とそれほど変わることはない」と述べている。また、今後インターネット経由で映画などを見るようになればネットワークの遅さがユーザーにも感じられるようになるはずだ」と予想している。(Ratei)
■ソース
Internet speeds: Australia ranks 44th, study cites direction of NBN as part of problem

http://www.abc.net.au/news/2015-01-12/australian-internet-speeds-rank-44th-in-the-world/6012570

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