「ISの脅威過大評価は間違い」と発言

タンブル氏、アボット首相に微妙な異論

 7月8日、シドニーの右派系シンク・タンク、シドニー・インスティチュートで講演したマルコム・タンブル連邦通信相は、記者会見で、「ISIL(イスラム国、ISとも)の評価を過大評価することは、反テロ論議をカリカチュアにしてしまうと発言した。これまでトニー・アボット連邦首相は、ISILを「死のカルト」とか「テロリストが我々に迫ってきている」などの形容を続けており、タンブル氏の発言は、アボット首相の発言を遠回しに批判したとも理解されることになる。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 タンブル大臣は、「首相がテロ問題について発言する時はその効果を慎重に計っている」とも語っているが、同時に、「ダイーシュ(ISILの蔑称)の脅威は、ヒトラーのドイツや東条の日本、スターリンのロシアほどの脅威ではない。わが国の安全についてダイーシュの危険を過小評価したり、油断することは間違いだが、同時に過大評価することも間違いだ。ダイーシュは、7世紀、8世紀のアラブの軍勢のように中東から出てヨーロッパに攻め込むことを夢想しているが、彼らの幻想に信憑性を加えることをすることは間違っている」と語った。

 さらに、テロ防止対策は強硬な態度を続けるよりも効果を考えるべきだ。強硬な政策が人気を集めることはある。時には強硬な政策が必要な時もある。しかし、強硬な政策が間違いということもある。2003年のアメリカ主導のイラク侵略がその例だ。個人の自由を損なうような法律はテロリストの思う壺だ。テロリストは政府が過剰反応するのを狙って挑発しているのだ。そうすれば、過激派になろうとする若者が増えるからだ。重要なのは、テロリズムをなくしたいという気持ちは同じでもどれだけやればいいかという判断には違いがあるということを理解することだ。新規の国家安全保障対策を疑問にいう者をテロリストの味方と決めつけることは、対策をファシストのように決めつけるのと同じくらいバカげたことだ」と語っている。
■ソース
Malcolm Turnbull warns against overstating threat of Islamic State, denies comments directed at PM

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