ドライバー、ビザ提示求められ90分拘束

NSW州警官、電子ビザを知らず

 先週、VIC州メルボルンで新設の制服特別公務員「国境警備局」職員が都心部を巡回し、ランダムに通行人にビザ提示を求めるという「オペレーション・フォーチチュード」計画が発表即日に国民の批判で取り消される騒ぎがあったが、シドニーでは飲酒運転抜き打ち検問(RBT)で停められた通勤途中のイギリス人女性がビザ提示を求められた。その警察官はビザが電子化されており、紙書類が廃止されたことを知らなかった。女性はボーイフレンドが移民局に連絡し、警察官がビザを確認するまで、1時間半にわたって拘束されるという事件があった。

 9月5日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えている。

 事件は9月2日、シドニー・インナー・ウエストのスタンモアで起きた。ボーイフレンドのマークさんとともに技能労働ビザで働いているセーラさん(いずれも仮名)は、イギリスの運転免許証を提示したため、警察官がビザ提示を要求した。電子ビザを説明された警察官はそれでも、「ビザを確認するまで動かせない」としてセーラさんを拘束、結局、セーラさんの連絡でマークさんが移民局に電話し、ビザ情報を得ることで警察官がビザを確認し、セーラさんは90分遅れて勤め先に向かうことができた。マークさんは、「まるで罪人扱いだ。外国人はみんな無実を証明するまでは犯罪者だと言っているようだ」と語っている。

 警察スポークスマンは、「一時滞在の外国人運転者は警察の要求があれば運転の合法性を示す証拠を提示しなければならない」と発表している。またタクシー業界では、「タクシー運転手が停められ、ビザ提示を求められるのは以前からの慣行だ」と証言している。

 移民局と税関局の機能を合体させた国境警備局は今年7月から発足し、財政赤字の折に600万ドルの国費を計上して制服、バッジ、襟章、バトン、ヘルメットなどを新調した。しかし、その職務がはっきりせず、危険があるという指摘も出ている。豪法律家協会は、「これまで移民関係の政策や規則編成にのみ関わっていた移民省職員が警察権を持たなければならない理由があるのか」と疑問を投げかけている。また、同協会は、4月の連邦議会上院調査委員会でも、「市民の権利や自由を制限するような法制は、最低限必要で、十分な根拠があり、制限が目的と釣り合っていなければならない」と証言しており、現実の新法制はこの条件を満たしていないことが多いとしている。

 また、人権法律センターは、「市民は警察官に停められた場合、警察官の氏名と番号、停められた理由の提示を求める権利がある」と語っている。

 マークさんは、「オーストラリアはますます閉鎖的になってきている。まるで、オーストラリアはオーストラリア人だけのもので外国人はオーストラリアから利益を得ることは許さないと言っているようだ」と語っている。
■ソース
When the Australian Border Force goes overboard you’re left with Operation Overkill

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