短波「ラジオ・オーストラリア」の波長で中国局が放送

2017年にABCが太平洋地域への放送を停止

 オーストラリア大陸北部から太平洋島嶼向けにオーストラリアの情報を送っていた国営海外短波放送「ラジオ・オーストラリア」は国のスポンサーシップの問題や予算減などの問題から、ABC放送が、「短波放送の技術は過去のもの。放送停止で190万ドルの節約」として、2017年1月に放送が停止された。

 「ラジオ・オーストラリア」は地域の自然災害や太平洋島嶼国の独裁に規制されない情報を送っていたが、ABCがこの短波電波帯を使わなくなったため、中国国営放送局が「ラジオ・オーストラリア」の使っていた短波周波数帯の一部を使って放送を始めていると報道されている。

 「オーストラリアン」紙の報道としてABC放送(電子版)が伝えたところによると、中国国営放送局のChina Radio Internationalが周波数帯を利用しており、2017年1月当時から、「ABC放送が抜けた周波数帯を誰が埋めるか?」という疑問が言われてきており、豪労働党のクレア・ムーア国際開発太平洋担当広報担当者は、「オーストラリアが抜けたところを中国が引き受けるというのは当然予想できることだ。太平洋の人々は、島が点在する太平洋では短波放送は実績があり、信頼できるシステムだと言っていた。短波周波数が使えるかどうかは肝腎なことで、誰も使っていないならそのスペースを使おうとする人がいるものだ」と語っている。

 さらに、「ABC放送にその地域の短波放送から撤退させたというのは保守連合政権は太平地域問題でオーストラリアの国益を損ねる大失策をした」と語っている。

 しかし、ジュリー・ビショップ外務貿易相は、「太平洋地域向けの短波放送終了はABCが独自に決定したことであり、政府はそれを了承した。太平洋地域向け短波放送にこれ以上資金を注ぎ込む必要はないと考えている」と述べている。

 しかし、アジア太平洋政策の専門家、豪国立大学(ANU)のマシュー・ドーマン博士は、「ABC放送のこの決定はABC予算カットが原因になっており、太平洋地域におけるABC放送の影響が弱まったことは避けられない。しかも、民間放送局は太平洋地域に関する報道がきわめて貧弱であり、わが国は太平洋地域からのニュースに関してABCに頼り切っている」と分析している。
■ソース
China takes over Radio Australia frequencies after ABC drops shortwave

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