温室化ガス排出量、実は減っていた

保守連合連邦政府こっそり発表

 保守連合連邦政府は、労働党前政権の「炭素価格付け制度(通称炭素税)」が「経済成長を妨げている」として、制度廃止を掲げているが、2013年の温室化ガス排出量が過去24年間で最高の減少量を達成しており、特に炭素税を課せられた火力発電所の温室化ガス排出量減少が目立っている。

 しかし、「炭素税」批判を続けてきた現保守連合政権は労働党前政権の手柄になることは一切嫌っており、この実績数字もひっそりとオンラインで掲載されたにとどまっている。統計では、土地開発による「二酸化炭素排出」を除いて、2013年の二酸化炭素排出量5億3,840万トン相当で、前年より0.8%下がっている。

 昨年、電力部門は排出量の5%減少を発表しており、森林伐採による二酸化炭素排出を除けば、この電力部門は国内の二酸化炭素排出量の約3分の1にのぼっている。また、炭素価格は現在トンあたり$24.15だが、7月からトンあたり$25.40になり、その後、7月に新上院議員が登院すると保守連合政権の「炭素税廃止法案」が成立し、炭素価格付け制度も、その後継の排出権取引制度も廃止になる可能性が高い。

 クリスティン・ミルン緑の党党首は、「炭素価格付け制度は効果を挙げている。アボット首相もグレッグ・ハント環境相も国内国外に嘘をばらまき続けることをやめた方がいい。炭素価格付けはもっとも安上がりでもっとも効果的だという事実を政府は隠し続けている」と批判しており、これに対してハント環境相は、「炭素税施行最初の1年で国全体の排出量は0.1%しか下がっていない。価格付けに効果がない証拠だ。保守連合は実効性のある政策を実施している」と語っている。

 2012年7月以来、電力市場の炭素排出量は11%、1720万トン減少しているが、原因はアルミ精錬その他の製造業閉鎖による需要減が大きい。また、炭素価格付けでエネルギー消費量が下がっており、また、風力、水力など低炭素の発電が増えていることもある。しかし、ガス価格が上がっていることから火力発電が石炭に戻ることが予想され、そうなると炭素排出量減少傾向もストップする。また、保守連合政権は、豪再生可能エネルギー局、クリーン・エネルギー金融公社の廃止を含め、これまでの排出量削減関係プロジェクトをすべて廃止し、学者もエコノミストも実効性を否定している「直接行動」プロジェクト一本に絞る傾向にある。(NP)

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る