GP診察料患者負担が一挙に$20に

上院で$7診察料阻止された政府

 トニー・アボット保守連合連邦政権は、GP診察料として患者が毎回$7を負担し、それを財源として大型の医学研究予算に充てるとしていた。しかし、国民の不興を背景に、上院の野党労働党、緑の党、諸派無所属議員が同法案の上院通過を阻止してきた。しかし、アボット政権は、メディケア改定に合わせ、新たに$20のGP診察料を新設する考えを明らかにしていた。

 1月19日よりGP診察料として$20の患者負担になると報道されている。先日からこの問題は報道されていたが、「診察時間10分未満切り捨て」規則により、6分から10分程度の診察時間の場合、メディケアから医療機関に支払われる還付金を現行より$20.10引き下げるというもの。

 これまで「Level B」と呼ばれる診察は、持病に対する処方箋の継続発行や血圧チェックなど慢性病患者や高齢者の健康維持のために不可欠で年間何百万人もの国民がこのサービスを受けている。この診察にはメディケアからは$37.05が還付されてきたが、アボット保守連合政府はこの額を$16.95に引き下げることを決めている。

 この変更でメディケア財政は年間5億ドルの節減になると見積もられているが、豪医師会(AMA)VIC支部のスポークスマン、マイケル・レビック医師は、「これが実施されれば、10分未満の診察では医師は従来のバルクビリングをやめざるを得なくなる。医療予算を引き下げるためとはいえ非常に狡猾なやり方だ」と反発している。また、「患者負担を望まない医師は患者一人の診察時間を引き延ばし、$37.05のメディケア還付が受けられる10分から20分の診察に持ち込むことになる。そうすれば1日の診察患者数が減り、待ち時間が伸びる。単に時間つぶしが増えるだけだ」と批判する声も挙がっている。

 昨年度はメディケア請求1億3,400万件のうち、26%の3,500万件が10分未満だった。また、7月1日から高齢者や障害者の割引のない患者については一律に$5の還付金引き下げが予定されており、そうなると10分未満の診察に対してはメディケアの還付が$11.95とさらに減額される。また、メディケア還付金はインフレに対応して増額される仕組みになっていたが、これも2018年まで停止されており、医療機関のコスト上昇に追いつかなくなっている。

 スッサン・レイ保健相のスポークスマンは、「この変更は患者一人当たりの診察時間を延ばし、綿密な診察をするよう促す措置だ」と発表しているが、レビック医師は、「慢性病や重病からの快復期には継続してこまめに観察する必要がある。そういう患者が診察を受けなくなり、緊急病棟に運び込まれる結果になる」と反論している。(Ratei)
■ソース
Patients face new $20 fee for seeing their GP

http://www.smh.com.au/federal-politics/political-news/patients-face-new-20-fee-for-seeing-their-gp-20150112-12mpag.html

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