アボット首相、人権擁護委員会非難

元難民の殺人前科者処遇巡り対立

 下記の記事はオーストラリア国内の報道要約であり、日豪プレスの方針や意見ではない。

 1月20日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙は、トニー・アボット連邦首相がジリアン・トリッグズ人権擁護委員長を名指しで「極端に疑わしい判断」と非難したことを伝えている。

 トリッグズ委員長の判断は2014年6月に出されたもので、「現在、ジョン・バシクバシク(51)を収監している状態はオーストラリアが批准している『市民的及び政治的権利に関する国際規約』の恣意的勾留禁止条項に基づき、地域社会勾留または拘束のゆるい勾留に切り替えるべきだ」と勧告した。アボット保守連合政府はトリッグズ委員長の判断を拒否し、バシクバシク元受刑者を引き続き入管収容所に拘禁している。

 バシクバシク元受刑者は元西パプア独立運動活動家でオーストラリア政府に難民認定申請し、認められた。しかし、その後、内縁のパートナーに暴行し、殺害した容疑で有罪判決を受け、2000年に懲役7年を言い渡された。出所後、バシクバシク元受刑者は保護ビザ発給を拒否され、オーストラリア政府は同人を不法滞在として入管収容所に拘禁しているが、難民条約により同人を西パプアに送還することもできない。その結果、オーストラリアはバシクバシク元受刑者を永久的に入管収容所に拘禁することになる。しかし、オーストラリアの法体系においても犯罪を犯した者も刑を済ませば自由人として全面的な権利を回復され、政府が恣意的にこの権利を奪うことはできないというのがトリッグズ人権擁護委員長の判断である。

 バシクバシク元受刑者は、豪人権擁護委員会に、「法によらず、政府の恣意により拘禁されている」と訴え、トリッグズ委員長もこれをほぼ認め、上記の判断の他、不当拘禁の賠償として同人に$350,000を支払うよう連邦政府に命令した。トリッグズ委員長は、「連邦政府は、バシクバシクのリハビリテーションや門限、移動制限、定期出頭などの条件で特定住所での居住を強制することで社会に対する危険を緩和することができるかどうかを検討した記録がある。同人を入管収容所に拘禁する必要は認められない」と述べている。

 これに対して、アボット首相は、「極端に疑わしい、異様な判断」と非難した。
■ソース
Tony Abbott attacks Gillian Triggs for ‘bizarre ruling’

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