NSW、電力民営化法案議会通過

州政府、キリスト民主党と取引の疑惑

 6月3日、NSW州議会は電力民営化法案を可決した。この電力民営化は「電柱と電線」と言われるように、送配電施設を民間企業に長期リースするというもの。労働党政権期にも民営化が何度も言われながら労組や州民の反対が強く、民営化には至らなかった。また、今回の法案可決でも政府は保守連合の少数党国民党の地盤である農村部住民が民営化に反対していたことから一部農村部は民営化から外されている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 同法案は、州議会上院において労働党、緑の党、キリスト教民主党が総数60項目にわたる修正案を提出、審議の後、可決された。この法案可決により、州内の電柱と電線の49%を99年にわたり民間企業にリースすることができるようになる。ただし、労働党と緑の党は法案に反対し、キリスト教民主党の賛成で上院を通過した。

 この法案通過のため、マイク・ベアード保守連合政府とフレッド・ナイル・キリスト教民主党との間に、公立小学校の「聖書授業」に並行して開かれる「倫理授業」を保護者への案内時に表に出さず、保護者の求めがあって初めて明らかにする措置の取引があったとの疑惑が持ち上がっている。ナイル党首は取引を否定しているが、過去に「倫理授業」の実現を何度も阻止しようとした実績がある。

 このリースによる政府収入は200億ドルと見積もられており、ベアード州首相は、「収入を学校、病院、道路、鉄道などのインフラストラクチャ建設に充てる。これでようやく公約を果たすことができる」と語っているが、緑の党のジョン・ケイ議員は、「この法案は、多国籍企業が州のエネルギーの将来を握っただけで州民にとっては何の利益もない」と批判している。また、労働党は、「ナイル党首が電力民営化問題に調査委員会を要求したのは、ナイル氏自身とベアード首相の間の取引を隠すための芝居だったということをナイル氏自身が明らかにした」と語った。

 5月、ベアード州政権は、電力民営化問題を調査したUBSの報告書について、ベアード州首相の側近を通じて、UBSに対して「内容を電力民営化に都合のいいように修正してもらいたい」と圧力をかけた疑いをかけられている。
■ソース
New South Wales power privatisation legislation passes through State Parliament

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