オーストラリアの科学者、京都賞受賞決まる

オーストラリア国立大学の植物生理学者

 京都の公益財団法人、稲盛財団の主宰する2017年第33回京都賞にオセアニア地域では初めて、オーストラリア国立大学(ANU)の植物生理学者、グレアム・ファーカー博士が選ばれた。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 ファーカー博士の業績は、光合成と植物生理学の研究全体にわたっており、特に乾燥地域農業向けに作物の水分効率を向上させる研究や気候変動分析などが顕彰された。

 ファーカー博士の研究により、少ない水で栽培できる小麦品種の開発で世界の食糧供給の安定化が向上したとされている。また、気候変動研究でも、気候変動モデルでは雲と風のパターンが変化するはずなのに実際には変化しておらず、その謎の解明の一助となったことが挙げられている。

 博士の研究で水の蒸発時に風速が落ち、そのために気候の変動が鈍化することが明らかにされた。基礎科学部門の受賞が決まった博士は、「地球全体として温暖多湿化すると考えられ、植物の成長に適した条件になるのではないか。光合成は地球の全生命体の基礎になっている。植物の光合成が最大化すると同時に水分の蒸発が最小化すればどうなるか、というのが私の研究生活の最大の疑問だ」と述べている。

 京都賞は1985年に創設され、先端技術、基礎科学、思想・芸術の三部門があり、ファーカー博士以前にはオーストラリアを含めて、オセアニア地域では誰も受賞していなかった。また、ファーカー博士自身は2015年の連邦首相科学賞を受賞している。

 ノーベル賞受賞者のブライアン・シュミットANU副学長は、「ファーカー博士の研究は全世界に貢献している。ノーベル賞と並んで名声の高い京都賞を受賞することについて私に何を付け加えることがあるだろうか。しかも、博士の研究分野はノーベル賞の対象になっていないのだから」と語っている。
■ソース
Nobel-equivalent Kyoto Prize awarded to Australian scientist Graham Farquhar

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