「母親の免疫系と子供の自閉症の程度に関連性か」

シドニー大学、ウェストミード病院などの新研究

 シドニー大学、ウェストミード小児病院、マコーリー大学、テレソン・フォー・キッズ・インスティチュートの合同研究で、母親の免疫歴と自閉症児の子どもの症状の重さの間に関連があることが突き止められたとしている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 シドニー大学のBrain and Mind Centreの研究グループの発表した研究論文によれば、妊娠期間中のアレルギーや喘息に対する能動免疫反応と、自閉症児の「重度の社会的障害症状」との間に関連性が見られたとしている。

 この論文の共同著者、イアン・ヒッキー教授は、免疫刺激の履歴のある女性の子供は、「対人応答性尺度」の総合スコアがかなり高くなる傾向があり、介護人の報告する障害の程度が重いことを示している。また、認識能力と常同運動の下位尺度で高いスコアが高く、対人関係の理解が苦手で、限定された行動や興味を示すことが多い」と述べている。

 この研究は、国内の自閉症児220人を対象に行った回顧的調査で、論文は最新のMolecular Psychiatryに掲載されている。ただし、この研究では二つの事象の関連を挙げているが、その二つの間の因果関係は主張していない。

 調査では診断を受けた疾患や慢性的障害などを含めた家族の病歴も調べている。

 「母体の免疫刺激」がなぜ、自閉症症状の程度と関係するのかは大きな謎だが、出生前にサイトカインと呼ばれる特別なタンパク質や抗体にさらされることが胎児の発育に影響を及ぼすのかも知れない。

 筆頭著者のアダム・ガステラ教授は、「これで免疫が媒介する自閉症スペクトラム障害(ASD)のサブタイプを突き止めることができた。自閉症の原因はいくつもあるが、次はこのサブグループの治療法を開発することだ」と述べている。

 また、「この研究結果で母親は気にすることはない。ただ、健康に注意し、疾患の予防を怠らないことだ」と述べている。
■ソース
Mother’s immune system linked with severity of child’s autism, new study shows

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る