アスピリン日常服用は循環器系疾患予防に無効

オーストラリアの研究でこれまでの説を否定

 かつて鎮痛剤として用いられ、副作用が知れ渡ると一旦は使われなくなったが、その後に血液の凝固を防ぐ効果があることから循環器系疾患の治療に用いられるかたわら同じ疾患の予防にも有効とされ、高齢者が心臓発作や卒中の予防に日常的に低用量を服用するようになった。

 しかし、オーストラリア国内での大規模な研究の結果、心臓発作、卒中の予防に効果がなく、寿命が伸びることもないと発表された。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 研究では70歳以上の健康人19,000人超に毎日100mgのアスピリンを投与した結果、寿命も伸びず、さらに心臓発作、卒中の初発作のリスクを大きく低下させる効果もなかった。

 この研究の主任研究者、モナシュ大学のジョン・マクニール教授は、「7年をかけたこの研究の結果から、現在、疾患のない人が循環器系疾患予防のためにアスピリンを飲み続けることを考え直すきっかけになるだろう。この研究で、健康な人がアスピリンを飲んでも、寿命が伸びたり、身体の不調が現れる時期を遅らせたり、循環器系疾患を予防したりする効果がないことが突き止められた」と述べている。

 そればかりか、毎日低用量のアスピリンを服用していると深刻な副作用が現れる可能性もあることが判明している。

 New England Journal of Medicineに掲載されたこの研究で、アスピリン服用のよく知られた副作用である出血のリスクが大きくなることが突き止められている。

 マクニール教授は、「これは血管がもろくなる高齢期の問題だ」と述べている。

 ただし、この研究は、70歳以上の健康人を対象にしており、心臓発作や卒中などの疾患を抱えており、医師がアスピリンの服用を指示している患者は除外している。

 Heart Foundationも、冠状動脈性心臓病の持病のない人がアスピリンを毎日服用することは勧めておらず、「45歳以上で、冠状動脈性心臓疾患の持病のない人は、健康な生活習慣を維持し、医師の診察を受けて、血圧、コレステロール、血糖値などの検査を受ける方がはるかに健康増進に役立つ」と述べている。
■ソース
Daily aspirin doesn’t prevent cardiovascular disease, landmark Australian study finds

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