海外で求められるコミュニケーション能力


グローバル・ビジネス・コミュニケーション入門
異文化ギャップは埋められる!

第2回 海外で求められるコミュニケーション能力

「コミュニケーション能力」という言葉を最近よく耳にします。社員に求められる特性に関する調査で筆頭に挙げられるのが、この能力です。ただし、よく使われる割には、日本における共通理解はないようです。幾つかの企業の人事を訪問して回ると、コミュニケーション能力は「話題に事欠かない」とか、「人の話をよく聞ける」または「人を否定しない」といった、どれもあやふやな回答がそろいました。

一方、欧米においては「適切に、かつ効果的にコミュニケーションを行う能力」と定義されます。

まず、“適切に”とはルールから外れないということです。コミュニケーションの場面では文脈や流れ、そして空気のようなものがあります。「どうしてこの場面でそんなことしか言えないのかなぁ」と評価されてしまうのは、ルールから逸脱していることを意味します。ルールからはみ出ないよう期待されるのは、洋の東西を問わないのです。

次に“効果的な”コミュニケーションです。人生はゴールに向かう行動に溢れており、極力無駄は省きたいものです。会話も同様で、だらだらと話を聞かされた結果、「結局この人は何が言いたいのだろう」となると、相手にはもやもやとしたものが残ります。これではコミュニケーション能力が高いとは言えません。相手にとって分かりやすい話し方、つまり、「論理」が重視されます。

オーストラリアの人たちは論理的な展開を期待しています。なぜなら英語という言語は、論理を重視する文化が反映されているからです。コミュニケーション能力とは、場の雰囲気を読み、相手にとって分かりやすい話ができる技術を指します。

では日本文化におけるコミュニケーションには、何が重視されるのでしょうか。それは、ずばり論理よりも「人間関係」です。分かりやすい話し方を心掛けるのではなく、相手との関係性を念頭に考えるため「今この発言をしたら、角が立つかなぁ」と考えてしまうのです。これがコミュニケーション能力に対する理解が進まない理由の1つです。

文化が違うと考え方が変わります。相手に伝えようと頭の中の考えを英語に翻訳したとしても、思考パターンを理解していなければ通じないことがあります。これがカルチャー・ショックにつながることもありますが、文化の特徴を理解できるとすんなり解決につながります。

異文化に漬かれば漬かるほど多くの課題が出てきますが、それらは一過性のものですので、違いを楽しむくらいの余裕を持ちましょう!



野中アンディ
◎福岡大学を卒業後、日本通運に入社。その後渡米しカンザス大学にて修士号、また帰国後に西南学院大学で博士号を取得。コミュニケーション学を専門とし、関東学院大学講師、中村学園大学准教授を歴任し、2017年4月株式会社コムスキル代表取締役に就任。プレゼンテーション、コミュニケーション能力などの社員研修、一般向けセミナーを行っている。

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