フィジオセラピストに聞こう!/痛みのいろいろ

フィジオセラピストに聞こう 体の痛み改善法

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!

第86回 痛みのいろいろ

国際疼とうつう痛学会(IASP)によると、痛みとは体の物理的ダメージまたはその可能性がある場合に経験する不快な感覚や感情のこと、と定義付けています。注目すべきは、実際の物理的ダメージだけではなく、その「可能性」及び「感情」にも左右される点です。個人の性格、物事に対する姿勢や心情、社会的要素などが、その人の感情やその時の精神状態と混ざり合い、痛みの感じ方に大きな影響を及ぼすのです。

痛みの感じ方は人それぞれ

例えば2人が全く同じ痛みを感じたとして、1人はその3倍以上の痛みを経験したことがあればその痛みは大したことがないと感じるでしょう。もう1人は、人生で一度もけがをしたことがなければ、それはいまだかつてない強い痛みだと認識するはずです。同じ痛みを伴いながらも2人の痛みに対する認識は随分違い、リハビリに対する姿勢も違うと予想されます。

3種の痛み

  • 急性疼痛

    短期間(3~6週間)で終息し、術後やけが、その他の疾患に伴い発症する。それは体からの警告であり保護を求めるもので、基本的には体が治るに従って痛みは改善する。

  • 慢性疼痛

    術後、けが、その他の疾患が治癒したにもかかわらず続く痛み。明確な原因や理由がなく続くこともある。慢性疼痛は疾患の症状である場合もあれば、中枢性感作(脳と脊せきずい髄の中枢神経が過敏になる状態)が起こり、慢性疼痛自体が疾患の場合もある。

  • がん性疼痛

    初期の症状や進行しているがんの痛みに加え、がん治療の強い副作用としての痛み。

長引く腰痛は慢性疼痛の典型的な例と言えるでしょう。慢性疼痛の改善には、幾つかの以下のような方法があります。

  1. GPに相談し「Chronic Disease Management Plan(Care Plan)」の指示を受け、鎮痛剤の処方や、フィジオセラピーなどのリハビリの指示を受ける。
  2. GPの紹介を受け「Pain Clinic」に行く。薬や運動療法の処方、精神面のサポートなど、自主的に慢性疼痛と向き合い、コントロールしていく方法を学ぶ。
  3. 西洋医学の枠を超えて、多種多様なセラピーや対処法を受ける(例:鍼灸(しんきゅう)、アレキサンダー・テクニック、フェルデンクライス、食事療法、漢方など)。
  4. ■参照Web: www.painaustralia.org.au


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)
シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
Web: www.metrophysiotherapy.com.au

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