フィジオセラピストに聞こう!/矯正すべき! 子どものアヒル座り

フィジオセラピストに聞こう 体の痛み改善法

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!

第88回 矯正すべき! 子どものアヒル座り

「アヒル座り」とは、「女の子座り」ともよく呼ばれ、正座の状態から両足をそれぞれ外側に出し、お尻をぺたんと地面に着けた状態です。両足が「W」の形になることから英語では「W-sitting」と呼ばれます。股関節の形成が未熟な6歳ごろまでに特に多く見られます。

我々フィジオセラピストが「W-sitting」について指摘すると、親御さんは「今まで気が付かなかった」「私もそう座っていたし、問題だと思わない」といった反応が一般的です。しかし「W-sitting」は、成長中の子どもの下半身に大きな負荷を与えるので、早期に介入し矯正していくことをお勧めします。

なぜ子どもは「W-sitting」するのか?

「W-sitting」では体を支える基盤が広くなり、まだ弱い背筋や腹筋などの体幹の筋肉(インナー・マッスル)に頼って胴体を垂直に保つ必要がなく、姿勢を保ちやすいからです。

問題点

成長途中である骨盤と足の骨と関節(軟骨、靭帯、関節包)が、「W-sitting」をする度に通常では受けない「ねじれ」のストレスを受けます。また、インナー・マッスルを使わないので鍛えられません。胴体を左右へひねる動きが少なくなり、左右の手足をうまく連動できなくなり、それに伴って微細運動能力(ファイン・モーター・スキル)の発達障害も起こりやすくなります。その他にも「内股で歩くようになり転びやすくなる」「扁平足(へんぺいそく)になる」「猫背になる」「ひざや股関節の痛みや腰痛」にも発展する場合があります。

2~2歳半までは柔軟性が高いので、そのころまでに「W-sitting」しなくなれば問題ありません。しかし、なるべく早くから介入し「W-sitting」を解消させることを推奨します。

解決法

お子さんが、もし「W-sitting」でしか地面に座れない、または以下の場合は早めに小児専門のフィジオセラピストに相談してください。

  1. 足を引きずるようになった
  2. 脚力が弱くなった
  3. 内股歩行が悪化した
  4. 筋緊張が低下し、体幹が弱い(座ると猫背になる)
  5. 不器用でぎこちない
  6. 靴のひもを結ぶ、ふたを開けるという微細運動が難しい

「W-sitting」は習慣です。お子さんだけではなく、お互いのストレスにならないように気を付けながらも根気よく座り方を直してあげましょう。


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)
シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
Web: www.metrophysiotherapy.com.au

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