下肢関節痛の改善

ドクター印藤の「ここがツボ」

第37回 下肢関節痛の改善

病気から回復することを「治る」「癒える」と言います。この治という漢字は「水をおさめる」という意味を持っており、そこから体を治すことになりました。癒は元は「瘉」と書かれ、病が去ってなくなることを指し、心は感情心理を示しています。

このように、健康になるということにはさまざまな意味があり、現代ではそれはおおむね3つのレベルから考えるべきもののように思います。

第1は体における健康です。骨格、筋肉などの見て分かるものから、神経細胞や免疫系などのネットワーク状に広がるものまでを含めます。このレベルでの変動は、物質の変化を基盤としたものであり、客観的計測が可能です。現代においてはこの技術的発達があったため、何らかの病的変調が診断されれば治療が可能となります。しかし、計測できない自覚症状中心の病気に関しては治療困難です。

第2は、精神的、心的レベルにおける健康です。これは物質現象を背景に持ってはいますが、それだけではなく、より複雑高度な非物質的変動を伴います。客観的診断はほとんどなく、診察も昔ながらの問診と観察によります。病気の原因が解明されることは少なく、主に対症療法で症状が静まるのを待ちます。慢性的疼痛はこの領域で起きていることなので、化学的鎮痛剤の効果が薄いのもこのためです。

第3は地球環境的レベルでの健康の問題です。人類は、地球を自然状態から自分たちに快適であるように作り変え、ある程度以上に成功しました。伝染病を撲滅し農業生産を高めた結果、世界人口は70億人を突破したと考えられています。しかしこれだけの人を欧米並みの生活水準にすることは、もはやエネルギー消費の面から不可能なのです。このような状況で、私たちは健康や命の問題を、自分のことだけとして考えるわけにはいかなくなっています。限られた資源を分かち合いつつ、共にこの地球上で身心ともに穏やかに暮らすことが望まれるのです。

そのために成すべきことは、無限にあるように思われます。まずは自分と周りの人びと、環境をいかに調和的安寧に導くかということになるのではないでしょうか。

環跳:股関節外側、大転子上部、大腿を屈してできる横紋の頭に取る。
委中:膝関節、膝窩中央部の動脈拍動部。
陽陵泉:下腿の外側、腓骨頭の前下際。
曲泉:膝関節内側、膝を屈してできる横紋の頭に取る。
照海:内踝(うちくるぶし)の直下0.5横指の凹み。
丘墟:足関節部の外踝下端の前方。大きな凹みの最も深い所。
解谿:足関節前面の中央部、関節を屈曲するとできる凹み。
崑崙:足の外踝の後側、アキレス腱と踵骨の接合部陥凹。


印藤裕雄(いんどうひろお)
1991年北里研究所付属東洋医学総合研究所および間中病院東洋医学科を経て開業。2004-08年メルボルンの国立モナシュ大学日本研究センター客員研究員(伝統医療の研究および技術指導)。森ノ宮医療大学講師(東洋医学)。09年茨城県土浦市に、新しい時代ニーズに合った総合的東洋医療を目指し、東洋医療センターを開業。11年から東京での診療活動も開始。日本統合医療学会評議員、全日本鍼灸学会会員など。著書『癒しの芸術と科学‐身体・心・魂の調和』三恵社、『潜在能力の科学』など。コラム・診療についての質問は、facebook:hiroo.indo@facebook.comまたはwww.facebook.com/CentreForEasternMedicineJapanまで。

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